Time Warnerの最高経営責任者(CEO)Jeff Bewkes氏によると、同社はNBC Universalへの入札競争に関心を持っていないという。
Bewkes氏は米国時間10月2日、ワシントンDCにあるNewseum博物館で開かれた「The Atlantic」主催のカンファレンス「First Draft of History」において、大手メディア企業同士の合併がうまくいくことはほとんどないと述べた。
同氏はこう付け加えた。「メディア業界でうまくいく契約も一部あるが、大半はそうではなかった。過去10年から15年の間、投資利益率の点で期待された成果をもたらした合併の割合はきわめて低い」
このインタビュー(生中継がオンラインでストリーム配信された)の終了後、Bewkes氏はReutersの記者に、同社がNBC Universalへの入札に関心を持たない理由を語った。インタビューと同じ週には、米国最大手のケーブルテレビ会社ComcastがNBC Universalの経営支配権を手に入れるべく交渉に入ったと報道されていた。NBC Universalの株式は現在、General ElectricとVivendiが保有している。
Bewkes氏はカンファレンスの会場でReutersの取材に対し、次のように語った。「われわれにとって、NBCのさまざまな資産を取り入れることは、真の必要性も恩恵もない。当社にはすぐれた資産があり、したがってNBCの買収に特に魅力を感じない」
うまくいかなかった買収については、Time Warnerにも少々経験がある。同社は2000年、当時の市場価値で約1600億ドルの株式取引によりAOLと合併した。この合併が最初に報道されたとき、オンラインメディアと出版および放送メディアとの歴史的な融合という画期的な出来事として歓迎された。だがこの合併は、わずか数年で失敗だったことが明らかになった。2008年までに、Time WarnerはAOLを完全に分離することを認めた。
2008年にTime WarnerのCEOに就任して以来、Bewkes氏は同社をコンテンツの制作という中核事業に専念させようと努めてきた。同氏は新しい資産を獲得して事業を多角化するのではなく、逆にスリム化した。AOLのスピンオフに加え、ケーブルテレビ部門も手離した。
別の大手メディア企業と合併する必要は感じていないものの、Bewkes氏はComcastのような他の企業と提携することの重要性は認識している。両社は2009年6月、TNTやTBSといったTime Warnerのケーブルチャンネルのテレビ番組や映画を、Comcastの加入者がオンラインで視聴できるサービスを試験運用すると発表した。
Bewkes氏は、テレビ番組や映画がオンラインで見られるようになることで、同社コンテンツの視聴者が実際に増加するだろうと述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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