Advanced Micro Devices(AMD)から分離した製造企業のGLOBALFOUNDRIESが米国時間7月29日、STMicroelectronicsとの契約が成立したことを発表した。GLOBALFOUNDRIESにとって、AMD以外の外部企業との契約は今回が初めて。
GLOBALFOUNDRIESは、AMDがプロセッサ製造にかかる経費の節減方法を模索した結果、2008年に設立された。GLOBALFOUNDRIESは現在、一般的にファウンドリと呼ばれる、チップの委託製造業者としてビジネスを展開している。
GLOBALFOUNDRIESの株式は、AMDが34.2%、Advanced Technology Investment Co.(ATIC)が65.8%を所有する。ATICはアラブ首長国連邦のアブダビ首長国が所有する投資会社。
GLOBALFOUNDRIESは先週、ニューヨーク州マルタに42億ドルをかけた新工場の建設に着手した。同社は新工場を擁して、世界でも選り抜きのファウンドリに躍り出ることを期待する。同社は現在、AMD向けのチップをドイツのドレスデンで製造している。
STMicroelectronicsは40ナノメートル(nm)プロセス技術に基づいた省電力チップの製造をGLOBALFOUNDRIESに委託する。声明によれば、40nmプロセスの採用は「次世代型のワイヤレスアプリケーション、ハンドヘルド端末、家電製品への利用に最適」という。製造は2010年に開始する予定。
現在のチップ業界で最先端の製造プロセスは、34nmプロセスのレベルであり、Intelもフラッシュメモリチップの製造で採用している。チップは現在、40〜50nmの先進プロセスでの製造がより一般的である。プロセス形状が小さいほど、チップの高速化、電力効率の向上が実現すると一般に言われている。
GLOBALFOUNDRIESは、STMicroelectronicsにどのような種別のチップを製造するのかを明らかにしていない。STMicroelectronicsの製品ポートフォリオにはメモリ、マイクロコントローラ、パワーマネジメントシリコン、Micro-Electro-Mechanical Systems(MEMS)などがある。
STMicroelectronicsが今日提供している製品の中でも、最も注目に値するのが「iPhone 3GS」で使われている加速度センサである。この加速度センサのデータを活用してiPhone 3GSはデバイスの位置や傾斜を特定する。
市場調査会社iSuppliによると、2008年には、STMicroelectronicsは世界でも5番手に入る売り上げのチップメーカーだという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
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