欧州委員会は現地時間6月11日、欧州版「Windows 7」から「Internet Explorer」(IE)を削除するというMicrosoftの動きに対し、賛否の入り混じった評価を下した。
米CNET Newsが最初に報道したように、Microsoftは、欧州においてIEを削除したWindows 7を提供する計画を、PCメーカーに通達している。PCメーカーと消費者は、自らの手で何らかのブラウザを追加する必要がある。PCメーカーにとって、これは簡単なことであり、利益につながる可能性もある。しかし、既存のPCをWindows 7にアップグレードしようとしている人にとっては、面倒な問題が発生するかもしれない。
規制当局は声明で、このMicrosoftの措置は、小売り市場においては後ろ向きなもののように思えるが、新品PC市場においてはもっと前向きなものである可能性がある、と述べた。95%の消費者は、新品PCの購入を通して、新版のWindowsを入手している。
「全売上高の5%にも満たない小売り販売については、欧州委員会はMicrosoftに対し、消費者が複数のウェブブラウザの中から好きなものを選べるようにすべきだ、と提案した」と欧州委員会は述べた。「Microsoftはそれをせずに、リテール版を購入する消費者に、ウェブブラウザを1つも搭載しないWindowsを提供することに決めたようだ。Microsoftは、複数の選択肢を提示する代わりに、選択肢をより少なくすることを選択したようである」(欧州委員会)
しかし、新品コンピュータ市場にとっては、IEの削除は好ましいことかもしれない、と欧州委員会は話す。
「コンピュータメーカーへの販売に関して言えば、Microsoftの提案は、より前向きなものである」と欧州委員会は述べた。「コンピュータメーカーは、Internet Explorer(Microsoftが無償で供給する)か代替となるブラウザ、もしくは複数のブラウザをインストールできるようである」(欧州委員会)
欧州委員会によれば、同委員会は、Microsoftを相手取ったブラウザバンドルの案件において、近いうちに行動に出るつもりだという。そして、欧州委員会は、Microsoftの措置は同委員会の検討対象に含まれていなかったことを示唆した。欧州委員会は1月、Windowsへのブラウザバンドルは欧州の独占禁止法に抵触するとの予備調査結果を発表した。Microsoftは、この調査結果に異議を唱えている。
「Microsoftの1996年から現在に至るまでの行為は独占的地位の乱用に該当するのかどうか、そして該当する場合は、消費者に本当の意味での選択肢を与え、Microsoftの長きにわたる反競争的な行為の影響に対処するために、どのような改善策が必要なのか。ブラウザのバンドルを巡って現在係争中のこの案件において、欧州委員会は近いうちに判断を下すつもりだ」と欧州委員会は述べた。「Microsoftが独占的地位を乱用したと判断された場合に欧州委員会が提案する可能性のある改善策として、欧州委員会はブラウザを1つも搭載しないWindowsを提供することではなく、消費者に複数のブラウザの選択肢を与えることを提言した」(欧州委員会)
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
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