あの全盛期も今は昔となったBorland Softwareが、独立企業としての地位を手放すことになった。
テキサス州オースティンに本社のあるBorlandは米国時間5月6日、同社全体をMicro Focus Internationalに現金7500万ドルで売却することに合意したと発表した。両社の取締役会はともに全会一致でこれを承認したという。
近年のBorlandは苦境に陥り、低調な売上成長率、人員整理、一貫した方針の欠如という諸問題に直面していた。2008年の業績をみると、前年比で売り上げが低下し営業損失が増加している。最近も全従業員の15%に相当する130人の人員整理を発表した。加えて、同社の再生を期待されて最高経営責任者(CEO)に就任したTod Nielsen氏その人が、2009年初めには同社に見切りを付け、VMWareの最高執行責任者(COO)に転身してしまった。
全盛期には「JBuilder」「Delphi」「C++Builder」などの製品で知られ、1990年代初めにデータベースメーカーのAshton-Tateを買収して失敗したことでも名をはせたBorlandは、20年ほど前、ソフトウェア業界の有力企業だった。同社はまた、当時のCEO、Philippe Kahn氏の華々しさでも評判だった。
ほぼ1年前には、BorlandはソフトウェアツールのCodeGear部門を売却した。同製品はオープンソースの対抗製品に市場を大きく奪われていた。また、苦境にある同社は、1998年から2000年にかけて社名をInpriseに変えたこともある。結局、社名は知名度で勝るBorlandに戻されることになった。
一方、企業向けのソフトウェア管理を手がけるMicro Focusは、Borland買収について、市場シェアの拡大、顧客基盤の強化、そして米国のテクノロジ市場へのさらなる進出につながるものと期待していると述べている。Borlandをどう立て直すのかという疑問について、同社は「Micro Focusには、Borlandの財務および営業業績に対処する明確な計画がある。売り上げと投資について容認できるだけのリターンを達成するため、事業の再配置も視野に入れている」と答えている。
Micro Focusは、Borlandの発行済み普通株式を、1株あたり1ドルで獲得する。これは同株式の5月5日終値である80セントに対し、25%のプレミアムを乗せた価格だ。また、30日間の終値の平均は60セントなので、これに対しては約67%の上乗せになる。
Borlandによると、買収は両社株主の承認、米国独占禁止法、その他の最終手続きの条件を整えたうえで、2009年の第2四半期の終盤、あるいは第3四半期の早い時期に完了する見込みだという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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