ムーアの法則は終わりを迎えつつある?--IBM研究者が発言

文:Brooke Crothers(Special to CNET News.com) 翻訳校正:編集部2009年04月10日 16時20分

 ムーアの法則が限界に達しつつある。コンピュータ業界では何度も予言されてきたムーアの法則の終焉だが、最新の予言をIBMフェローが行ったとEE Timesが報じている。

 Intelの共同設立者Gordon Moore氏は1965年、マイクロプロセッサ上のトランジスタの数は約2年ごとに倍増すると予言した。これはムーアの法則といわれるものだが、この予言は驚くほど長い間当たってきた。しかしEE Timesによると、IBMのフェローでサーバコンピュータ設計の研究を進めているCarl Anderson氏は、ムーアの法則の時代が終わる日が近いと述べたという。

 報道によると、あらゆる産業において、指数関数的な成長はいずれ終わりを迎えるとAnderson氏は述べ、鉄道の話題や航空機業界で速度性能が増していく様子を引き合いに出したという。

 「1世代または2世代にわたって継続する指数関数的な成長は、マルチコアプロセッサなどの最先端のチップのみとなりそうだ。多くの設計者が、日常で利用するアプリケーションは最新の物理的な設計を必要としないと見ている」とAnderson氏はEE Timesの記事で述べている。Anderson氏はさらに、研究所と工場が要する膨大なコストは、今後事業を進めるにあたって大きな障害であるとも述べた。チップ工場の構築と維持コストは数十億ドルともいわれており、このようなコストに耐えられる経済力のある企業は多くはない。

 では、これから先はどうなるのだろうか?Anderson氏は、光インターコネクト、3次元チップ(回路とコンポーネントが積み重なっている)、アクセラレータベース処理の技術が著しく発展すると見ている。中でも、アクセラレータは現在注目が集まっている技術だ。

 IBMの他にも、NVIDIAやAdvanced Micro Devices(AMD)のATI部門は科学分野、工学分野、そしてアニメーション分野のアプリケーションをアクセラレート(加速)するためグラフィックスプロセッサベースのコンピュータを提供している。またIntelは2009年後半あるいは2010年前半にアクセラレータとして使用可能な「Larrabee」チップを発表することが予想されている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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