高性能宇宙望遠鏡「Kepler」が米国時間3月6日夜、ケープカナベラルから打ち上げられた。太陽の軌道を周回しながら、遠方の恒星の周りを回る地球型惑星を探す。ミッションの費用は約5億9100万ドル。
米航空宇宙局(NASA)のエイムズ研究センターで研究責任者を務めるWilliam Borucki氏は、「誰だって、すべての恒星に地球サイズの惑星があるのか知りたいだろう」と述べた。「地球はありふれた存在なのか、それともまれな存在なのか。その答えを求めるための探査であり、人類による銀河系探査は新たな段階に入った」(Borucki氏)
Keplerの3年半にわたる任務は予定通り、現地時間午後10時49分57秒、轟音とフロリダの海岸を一時的に真昼のように明るくするほどの炎の奔流とともに開始された。
このたびの打ち上げは、1960年以来で通算339回目となるDeltaロケットの発射だった。補強型のDelta 2ロケットとしては141回目で、1997年1月以来続く連続打ち上げ成功は86回となった。Delta 2ロケットは、通算では139回成功、失敗は2回のみとなっている。
技術者らは、今後2カ月ほどかけてKeplerの複雑なシステムを点検調整し、その後ミッションが本格化する予定となっている。
Keplerは太陽の周りを地球を追尾する形で周回しながら、9500万画素のカメラで宇宙の一角を観測する。これは、広げた手に450万以上の観測可能な恒星が収まるほどの大きさだ。NASAの科学者チームによると、そのうち年齢、構成、明るさから見て地球型惑星を持ちうる恒星を約30万ほど選出したという。Keplerは、ミッション中にそのうち10万以上を精力的に観測する予定である。
Keplerに搭載されているカメラは、その他の宇宙望遠鏡のように撮影するのではなく、光度計の役割を果たすことになる。 広範にわたる視野の中で恒星の輝きと惑星が恒星の前を通過する時に生じるわずかな減光を継続的に観測する。
こうした惑星の通過による明るさのわずかな変化とその周期を研究することで、科学者らは宇宙の生命居住可能領域に地球と同じような特徴を持つ可能性のある世界を探し出そうとしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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