ソニーは2月27日、4月1日付けで実施する新経営体制を発表した。現在代表執行役会長兼CEOであるハワード・ストリンガー氏が社長職も兼務する。また、新事業グループを2つ発足し、エレクトロニクスとゲームの両事業を統合。ネットワーク製品とサービスの体制強化を図る。
現在代表執行役社長兼エレクトロニクスCEOの中鉢良治氏は代表執行役副会長へ、代表執行役副社長、コンスーマープロダクツグループ担当の井原勝美氏は業務執行役副社長へと就任する。
新規事業部として立ち上げる、ネットワークプロダクツ&サービス・グループには、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)社長兼グループCEOの平井一夫氏がプレジデントとして就任。デビュティプレジデントには、米国ソニー・エレクトロニクスのコンスーマーオブアメリカ・グループプレジデントの鈴木国正氏が就任する。
ネットワークプロダクツ&サービス・グループでは、ネットワーク対応の製品やサービスにおいて、イノベーションの可能性やスピードを最大化し収益力を上げる、社内の先端技術を結集し新製品を創出する、「プレイステーション・ネットワーク(PSN)」のサービス・プラットフォームの活用と拡大、などを手がけていくとのこと。
もう一方の新規事業グループである、コンスーマー・プロダクツ・グループでは、テレビ、デジタルイメージング、ホームオーディオ、ビデオなどのコンシューマーエレクトロニクスの中核製品カテゴリーの事業を統括する。
コンスーマー・プロダクツ・グループのプレジデントには、現在業務執行役員EVP兼テレビ事業本部長の吉岡浩氏が、またテレビ事業本部長には現業務執行役員SVPでVAIO事業本部長の石田佳久氏が就く。
2月27日に開催した記者会見には会長、社長兼CEOとなるハワード・ストリンガー氏をはじめ、副会長に就任する中鉢良治氏、新事業部のプレジデントに就く吉岡浩氏、平井一夫氏らが登壇した。
会長、社長兼CEOとなるハワード・ストリンガー氏は「新経営体制について、時間をかけいろいろと考えてきた。その中で今回のメンバーは全員が熱意をもって取り組んでいける体制にできた。会長兼社長という役職になることで、各チームと直接協力し、直接意見を交換しながら対応できると思っている」と新役職に就くメリットを話した。
今回社長職を退く形となった中鉢良治氏は、「世界同時不況にいち早く対応し、キャッシュフローや損益分岐点の改善など、経営体質強化策をあらゆる領域で実行してきた。ソニーを取り巻く環境が急激に変化している今こそ、次なる成長に向け新しい事業体制を構築するときであると決意した」と新経営体制への期待を話す。
ネットワークプロダクツ&サービス・グループとして新事業を担う平井一夫氏は「プレイステーションなどのゲーム事業を経て、ハードとソフトを一緒にマネジメントすることに関わってきた。今後はその重要性が改めて大事だと感じている。これまで培ってきたこのノウハウをいかして、ゲームの領域から幅広く広げていく事業を手がけることをうれしく思っている」とした。
コンスーマー・プロダクツ・グループのプレジデントとなる吉岡浩氏は「2008年の4月から約11カ月間、テレビ事業を担当してきた。そこで感じたことはスピードがとても早く、ITの事業に非常に近くなってきているということ。4月からテレビ事業本部長には、現在VAIOの事業本部長を務める石田佳久が就任する。彼の持っているITのスピード感を使って、改善活動を加速させていきたい。また、平井が手がけるネットワークビジネスは必ず、コンスーマープロダクツとつながってくるので、連携を強めソニーならではの新しい価値の共有を一緒にやっていきたい」と連携プレイの重要性を説明した。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力