パナソニックは1月9日、2009年度の経営方針を発表した。厳しい環境の中、成長への仕込みをする年と位置づける。また、薄型テレビ事業への設備投資計画を見直すことも明らかにした。
設備投資計画の見直しは、兵庫県の尼崎市と姫路市に建設予定中の薄型テレビ新工場への投資額を削減するというもの。プラズマディスプレイパネル製造を手がける国内第5工場(尼崎)へ対し、2012年までの投資額を2800億円から2100億円に、液晶用のIPSαパネルを製造するIPSアルファ姫路工場へは同3000億円から2350億円に圧縮されるという。これにより、薄型テレビ事業へはトータルで4450億円の投資額となり、当初の5800億円から1350億円の減額になる。
今回の投資計画見直しは、「薄型テレビ市場の減速に対応したもの」(代表取締役社長の大坪文雄氏)としており、薄型テレビ販売の成長率鈍化を受けて実施されるという。しかし台数ベースでの販売目標に関しては、グローバル規模で前年比150%の1550万台に据え、「業界以上の成長を目指す」(大坪氏)構えだ。
パナソニックでは、NeoPDP/IPSαパネルによる省エネ、動画性能といった基本性能の向上に加え、ラインアップの増強、販売間口の拡大などにより、販売増を狙う。
また、冷蔵庫や洗濯機などの白モノ家電では、2009年3月から欧州市場での販売をスタート。2009年度中に17カ国へ展開するという。欧州ではすでに商談も開始されており「手ごたえは極めて良い」(大坪氏)とのこと。またアジア市場に関しては商品ラインアップを拡充するとともに、域内生産体制を強化することで、アジアでのダントツナンバー1シェアを目指す。
地域別ではBRICs+ベトナムを増販のけん引役とし、「2009年度も2ケタ成長を死守する」(大坪氏)考え。「強い商品の連打」「販売力強化」で成長戦略を推進するとした。
各事業に関しては、2006年度以降連続赤字となっている事業・商品カテゴリーについては「撤退を前提に整理」、海外拠点に対しては「撤退基準に該当した場合は原則撤退」と大胆な選択と集中を推し進めるとのこと。
一方で新規事業に関しては2009年度から「新規事業推進支援制度」の運用を開始し、資金・技術・人材面から支援するという。
2009年度は、パナソニックが2007年から取り組む「GP3計画」の最終年度に当たる。GP3計画とはグローバルに増販を達成しながら、会社として進化していく「グローバル・プログレス(Global Progress)」、グローバルで高収益を上げる「グローバル・プロフィット(Global Profit)」、世界中で信頼されるブランド「グローバル・パナソニック(Global Panasonic)」と「3つのGP」達成するというもの。大坪社長は「海外増販は未達になると思われるが、計画は変えない」とした。
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