ソニーは12月9日、エレクトロニクス事業の経営体質強化、収益性改善のための施策を発表した。2009年度末までに1000億円以上の費用削減体制を構築するという。これは2008年9月以降、急激に変化した世界経済情勢を受けて実施するもの。投資計画の削減・延期、国内外製造事業所の再編、人員の再配置・削減などが盛り込まれている。
投資計画は、携帯電話向けCMOSイメージセンサーの増産計画を一部外部へ生産委託することをはじめ、液晶テレビの欧州拠点の1つ、スロバキア・ニトラ工場の増産投資計画の延期を決定。これにより、2009年度のエレクトロニクス分野の投資は、中期計画より約3割削減する計画としている。
製造事業所は、記録メディアの生産拠点である、仏ダックス工場など海外2拠点での生産終了を予定。低コスト国へ生産移管・集約するほか、OEM/ODMの活用を進めるとしている。現在57拠点ある製造事業所を2009年末までに約1割削減する予定だ。
事業所の再編、開発・設計体制の見直しに伴い、職務転換/転職支援プログラムを通じた人材の再配置・最適化も図る。2009年度末までに全世界におけるエレクトロニクス事業の従業員数を約16万人(2008年9月末時点)から約8000人削減する見込み。同時に派遣社員などの外部リソースの活用も見直すとした。
ソニーではこれらの施策のほか、短期および中長期的に収益性を改善し、成長を確保するための施策を継続的に実行していく方針。今回の施策実行に要する費用や2008年度の業績に与える影響については2009年1月に予定している2008年度第3四半期業績発表の際に説明するとしている。
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