Pirates of the Amazonの旅はついに終わった。Pirates of the Amazonとは、Amazon.comの製品ページとPirate Bay上のtorrentファイルとのクロスリファレンス(相互参照)により、映画、ゲーム、テレビ番組、MP3ファイルの違法な無料ダウンロードを可能にするFirefox用アドオンだ。
WebwareがPirates of the Amazonについて報じた翌日の米国時間12月4日、Amazon.comの弁護団が早速、対応策を講じた。The New York Times紙によると、同弁護団がPirates of the Amazonをリリースした2人の学生が利用するインターネットサービスプロバイダー(ISP)に対し、「ノーティスアンドテークダウン」通知を送付したところ、学生らはそれに従い、同ツールを削除したという。
Pirates of the Amazonをリリースした2人は、オランダのロッテルダムにあるWillem de Kooning Academy HogeschoolのPiet Zwart Instituteに通う学生。2人は、自分たちのウェブサイトで、Pirates of the Amazonは彼らが受講しているメディアデザインコースの研究の一環として、芸術的パロディのつもりで制作したと主張している。「(Pirates of the Amazonは)インターフェースデザイン、情報アクセス、さらに現在議論されているメディア文化におけるさまざまな問題に関する実用的な実験だ」と彼らは主張する。
たしかに、このコメントは学生らがトラブルを回避するためにでっち上げた都合の良い作り話に聞こえるかもしれない。しかし、New York Timesの記事によると、彼らの教師であるFlorian Cramer氏はこの2人の学生を支持しており、Nettimeと呼ばれるインターネットに関するメーリングリスト上で学生らを擁護したという。
Cramer氏は、評論家の大多数が2人の学生が行った実験の芸術性を見落としているとし、学生らが検閲されていることに懸念を表明した。
Cramer氏は、「Amazon.comからテークダウン通知を受けたことで、学生らは研究所での芸術、研究、学習の追求に及び腰になってしまった」とし、さらに「学生らの研究が論議を呼んでいるさまざまな難題を抱える文化と対立するからと言って、彼らが自分たちの研究を事前に検閲しなければならないような文化は好ましくない」と付け加えている。
Pirates of the Amazonは、Amazonの製品サイト上でユーザーが探しているコンテンツがPirate Bayの検索インデックス上で見つかると、Amazonの製品ページの上部に「Download 4 Free」というリンクを表示させるというもの。このリンクは、Pirate Bayがホストしている.torrentトラッカーファイルに直接リンクされており、ユーザーはそのリンクをクリックすれば、Amazonで購入しなくてもBitTorrentを介して違法に入手できる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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