Microsoftは米国時間7月31日、米証券取引委員会(SEC)に年次報告書を提出した。その報告書の中で、同社は、最近行った買収に関する財務データばかりでなく、オープンソースとGoogleやAppleの脅威に対する同社の認識と対抗策の一端も公式に明らかにした。Microsoftの最高経営責任者(CEO)であるSteve Ballmer氏は、先ごろ行われた財務アナリストとの会見でも、冒頭でこうした問題点の多くについて言及していた。
同報告書の「Challenges to our business model may reduce our revenues and operating margins」(対抗するビジネスモデルによる減収および営業利益率低下の可能性)と題した章で、同社は、Linuxとの競合により製品価格の引き下げを余儀なくされれば利益が悪化する可能性があると繰り返し述べている。
Microsoftはまた同じ章の中で、検索分野においても同社のビジネスモデルに対する脅威があるとし、主要なライバルでありはるかに大きな規模を持つGoogleについて指摘している。レポートでは、そのビジネスモデルを賞賛し、同社はGoogleに対抗すべく「大量のリソース」を投じていると述べている。オープンソースソフトウェアを支持する人々は引き続き世界中の国々の政府に対し、ソフトウェア製品の購入と導入にはオープンソースソフトウェアを採用し、利用するよう働きかけている。当社としては当社製品は安全性、生産性、総所有コストで大きく先行していると考えているが、オープンソースソフトウェアモデルは依然として当社のビジネスモデルに対する大きな脅威となっている。市場がオープンソースソフトウェアを受け入れれば、その分当社製品の販売は減少し、製品価格の引き下げを迫られることとなり、売り上げおよび営業利益率が低下する恐れがある。
ほかにも、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)のビジネスモデルを開発している。このビジネスモデルでは、インターネットを介してアプリケーションとデータおよび関連サービスを提供する。プロバイダーは主として広告またはサブスクリプションベースの売上モデルを採用している。近年における情報処理と通信技術の発達がこのモデルを実現可能とし、一部の競合他社は急成長している。当社もこれに対抗し独自のソフトウェアにサービスを組み合わせた戦略を開発するため大量のリソースを投入しているところだ。しかし、こうした戦略が成功するかどうかはまだはっきりとは分からない。
同報告はAppleの脅威についても別に章を割いて記述し、Appleのモデルへの対抗は高くつくことになるかもしれないと認めている。
当社のビジネスモデルで重要な要素は、プラットフォームベースのエコシステムを作り出してきたことだ。多くの参加企業が多用なソリューションを作ることができる。企業が単独で製品のソフトウェアとハードウェア要素を管理する競合の垂直統合型モデルは、パーソナルコンピュータや携帯電話、デジタルミュージックプレーヤーなど特定の消費者向け製品では成功してきた。当社もまた、垂直統合型のハードウェア、ソフトウェア製品を提供している。しかし、垂直統合型モデルに対抗する取り組みは、販売コストを増加させ、営業利益を減らす可能性がある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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