ソニーは6月26日、2008年度3月期から2010年度までの経営方針を発表した売上高1兆円を超える事業を現在の4事業から7事業へと拡大させるほか、製品カテゴリの90%をネットワーク、ワイヤレス対応にするとした。
発表会場には、取締役代表執行役会長兼CEOのハワード・ストリンガー氏、取締役代表執行役社長兼エレクトロニクスCEOの中鉢良治氏、ソニー・コンピュータエンタテインメント代表取締役社長兼グループCEOの平井一夫氏、ソニー執行役EVP兼CFOの大根田伸行氏が出席した。
会場では、2005年に発表した再生プランの実績を紹介。Blu-ray Discを次世代ディスクの業界標準規格への成長、世界初となる有機ELテレビを商品化、PLAYSTATION3(PS3)とプレイステーション・ポータブル(PSP)の普及台数5000万台達成などを発表したほか、「3年前までは実績のなかった液晶テレビでも、『BRAVIA』ブランドの強化により、今では世界でもトップを争うレベルにまで成長させた」(ストリンガー氏)とした。
2008年度3月期から2010年度までの中間経営方針としては、「コアビジネスのさらなる強化」「さまざまな商品に対してネットワーク接続サービスを提供」「BRIC諸国や他の新興市場における成長を最大限に活用」の3つを重要施策として掲げている。
コアビジネスの強化では、すでに売上高1兆円を越える液晶テレビ、デジタルイメージング、ゲーム、携帯電話の4事業に、PC、Blu-ray Disc関連商品、コンポーネント/半導体の3事業を加え、7つの1兆円事業を創出するとした。
中でも液晶テレビ事業では「今年度中に黒字化し、2010年までにはグローバルNo.1を目指す」(ストリンガー氏)と話し、「今後は、パネルの安定供給、LEDや半導体の内製化によりコスト競争力のあるものを提供できる。年に複数回の新モデル投入も可能だろう」(中鉢氏)と収益性の改善を強調する。
ネットワーク接続サービスの提供においては、製品カテゴリの90%をネットワーク、ワイヤレスに変更し、対応ハードウェアの大量投下を行うとともに、ソニーの主要製品に向けた「ビデオ配信サービス」の展開を発表。直近の動きとしてPS3、PSPへのビデオ配信サービスを2008年夏に米国で正式発表する。
「PS3は、全普及台数の半数以上がネットワークに接続されている。内蔵ハードディスク(HDD)も備え、ダウンロードコンテンツも楽しめるという製品内容をゲームユーザーだけではなく、ノンゲームユーザーへも伝えていきたい。7月15日から開催されるElectronic Entertainment Expo(E3)で、詳細を発表する『PLAYSTATION Network』(PSN)では、ビデオ配信サービスをはじめとする、新しいネットワーク機能を新搭載する」(平井氏)と明言した。
ソニーにとって「経済面で最大の高成長機会」(ストリンガー氏)に定める「BRIC、新興市場における成長」に関しては、現在1兆円である売り上げを2010年度までに2倍となる2兆円へと拡大させる。ソニーブランドが持つグローバルでの強さをいかし、すでにインドで確立した成功モデルを横展開していくとした。
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