駐車場で爆発物処理班の車両を見かけたときから、今回のGoogle本社訪問がいつもと違ったものになることは予想できた。
この警備は、米国務長官Condoleezza Rice氏と英国外務大臣David Miliband氏のためのものだった。両氏は、企業を視察して業界のリーダーと会談するために、シリコンバレーを訪問していたのだ。
筆者は米国時間5月22日、CNET News.comのマルチメディアチーム(私のほかには、ビデオ担当のJared Kohlerと写真担当のJames Martin)を引き連れて、カリフォルニア州マウンテンビューにあるGoogle本社に向かった。麻薬や爆弾などの違法な物品がないかどうか、クリーム色のラブラドールレトリバーがわれわれのカメラと三脚、それに私の財布のにおいをかいで調べた後、われわれはGoogle敷地内の中庭にロープで仕切られた「安全地帯」に移動し、他社の報道陣と合流した。日差しの下で1時間待ったわれわれの前に、Google従業員との「形式ばらない会談」を終えたRice氏とMiliband氏が現れ、わずか10分間の取材に応じた。
5人の記者が質問を許されたが、ハイテク業界の中心部にいるというのに、出てきた質問は外交問題に関するものがほとんどだった。グアンタナモ米軍基地に収容されているイスラム過激派テロ容疑者の釈放や、イラン紛争などについての質問があったが、Rice氏は当然のことながら、お決まりの政治家的回答を返した。
技術関連の質問をした記者は筆者だけだった。Rice氏のGoogle訪問の意味を尋ねるとともに、シリコンバレーにおけるリベラル派の拠点として有名な企業に招待されて驚いたかと聞いたのだ。
これに対して、Rice氏は笑いながら、「Googleは政治とは関係がない。Googleと関係があるのは、イノベーションとテクノロジであり、人間の創造性であり、そしてまた、このような素晴らしい環境において自由があればどんなことが可能か、ということだ」と答えた。Rice氏はまた、学者としての自分の経歴が1981年にスタンフォード大学の助教授に就任したときから始まっており、シリコンバレーがなじみの土地であることを報道陣に思い出させた。Miliband氏はこの時、質問した私をたしなめるように、Rice氏がスタンフォード大学に勤めていたのは筆者が生まれる前のことだと言い添えた(念のために言っておくが、私は1981年にはもう生まれていた。1970年代生まれなのだから!)。
気がつくと、両氏はすでに別れのあいさつを済ませ、シークレットサービスに導かれて退出するところだった。Googleのカフェテリアで2人が何を食べたか、尋ねることさえできなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス