ロサンゼルス発--「007ゴールドフィンガー」「ミッション・インポッシブル」「スターウォーズ」などの映画にちなんだテーマが流れた後、IBMの最高経営責任者(CEO)Sam Palmisano氏がNokia Theatreの壇上に上がり、同社の主要ビジネスパートナーである1000人の聴衆に向かって語りかけた。
現在の経済状態に関して、IBMの会長と社長を兼務するPalmisano氏はこう語った。「われわれは難局を切り抜け、大方に比べて力強い伸びを示すことができそうだ。IBMがビジネスモデルを再考しなければならなかったように、あなた方も事業分野を整理し、どの方面に機会を求めるか優先順位をつける必要がある。われわれは投資しなければならないし、協調的に投資しなければならない」
これまでのところ、IBMの事業はその通りに進んでいるようだ。同社は第1四半期決算で、売上高245億ドル、1株あたり利益1.65ドルを計上し、大方の予測を上回った。
Palmisano氏は前CEO、Lou Gerstner氏のもとで社長兼最高業務責任者(COO)を務めたのち、2002年にCEOの職を引き継ぎ、従業員数38万6558人、年間売上高1000億ドル近い企業を率いている。Palmisano氏はIBMで過ごしてきた35年間に、IBM Global Services、Personal Systems Group、Enterprise Systemsなどの部門で手腕を振るった。
発言の中で同氏は、IBMがGoogleのような技術インフラを利用してアプリケーションの市場を提供する可能性をほのめかした。「われわれはビジネスパートナーと協力して、クラウド内あるいは顧客側にあるアプリケーションを使って、アプリケーション市場を作り上げることが可能だ」
同氏は、世界が変化しつつあり、さまざまな種類の投資が必要になっていることを説明した。「専門知識と能力を持ち、革新が可能なら、あなたはこの世界に価値がある。もしそれを持っていないなら、戦略上の問題をなんとかしなければならない」
百万の顧客規模で売上高にして5000億ドルという、いわゆるミッドマーケットがIBMにとっての重要な新しいターゲットだ。比較的規模の小さい企業は助けを必要としており、問題を解決できるちょうどいい大きさのソリューションを提供することは大きな可能性を秘めている、とPalmisano氏は説明した。同氏によると、IBMは120のサブインダストリと20カ国において専門分野に特化したソリューションを提供し、ミッドマーケットへの取り組みを強めているという。
IBMの事業の多くはデータセンタに力を入れている。「われわれは、全包括的な方法でエンドツーエンドに問題を解決しなければならない。セキュリティや情報保護の観点からファイアウォールの影に隠れることが多いが、クラウドは企業において役割がある」と、Palmisano氏は語った。「仮想化は重要だが、問題を矮小化してはいけない。Intel製サーバ4台を1台に減らすことが解決策だというなら、『PowerPoint』のプレゼン資料を抱えて帰れと言われるだろう。問題はもっと複雑だ。われわれは協力し、助け合わなければいけない」
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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