社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)は4月16日、著作権侵害事件として、海賊版を販売していた札幌市の男子高校生を書類送致した事件を発表した。宮城県警の捜査員がサイバーパトロールで少年の書き込みを発見し、ACCSを通じて著作権者に連絡したことが端緒となる。
この事件は、宮城県警生活環境課と大河原署が4月15日、インターネット掲示板を通じ、権利者に無断で複製したコンピュータソフトウェアを販売していた札幌市に住む17歳の男子高校生を、著作権法違反の疑いで仙台地検に書類送致したというもの。
少年は、2007年3月30日頃から4月23日頃までの間、前後3回にわたり、アドビシステムズが著作権を有する「Adobe Acrobat 8.0 Professional 日本語版」、マイクロソフトが著作権を有する「Microsoft Windows Vista Ultimate」および「Microsoft Office Professional 2003」をそれぞれ権利者に無断で複製したCD-R2枚、DVD-R1枚の計3枚を、宮城県石巻市の男性他2人に対し合計10500円で販売していた。
少年は、一般の人が設置している複数のインターネット掲示板に「ソフトやさん」などの名称で「リスト送るのでメールください」と連絡用メールアドレスを書き込み、問い合わせがあると約100の海賊版ソフトタイトルや購入方法などを記載したPDFファイルをメールに添付して送信し、海賊版の購入者を募っていた。
PDFファイルの中には、「特定商取引に関する法律に基づく表示」との記載があり、その中で少年は本名、住所、電話番号など、個人が特定される情報についてはすべて「ご注文後にお知らせ」と記載していた。警察の調べによると、少年は平成19年3月から12月末までの約10カ月間で、延べ61人に対し219枚の海賊版を販売し約40万円を売り上げていた。
警察の調べによると、少年はファイル共有ソフト「WinMX」から入手したソフトを利用して海賊版を作成しており、小遣い稼ぎのために海賊版を販売していたと供述している。
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