米司法省は米国時間3月24日、XM Satellite RadioとSirius Satellite Radioの合併を承認した。審査は1年超に及んでいた。
消費者グループが懸念を表明し、ラジオ局が激しい陳情活動を繰り広げたが、独占禁止監視当局はそれらを退け、両衛星ラジオ局のみの合併は「競争を実質的に制限する」ものではないと判断した。
司法省は「本件合併により両当事者が衛星ラジオ聴取者に対して何らかの形で価格引き上げを行い利益を図る可能性を示す証拠はなかった」とする声明を発表した。
本買収について、米連邦通信委員会(FCC)はまだ最終判断を下していない。FCCは、承認には高いハードルがあると警告していた。Siriusによる全額株式交換式でのXMの買収総額は現在価格で50億ドルとされている。
この警告の背景にはFCCが1997年に定めた規則がある。この規則は衛星ラジオ用の全周波数帯を1社が独占することになるような合併を禁じている。FCCはこの規則を廃止または修正すべきかについてパブリックコメントを募集していた。そして、先週、Kevin Martin委員長は最終判断のときが近づいていると述べている。
両社の株主は、この合併について11月に承認済み。
両社は司法省の決定を歓迎する声明を出したが、それ以上のコメントは控えている。
両社は、過去1年にわたって、規制に関わる種々の場で消費者にとってのメリットを訴えてきた。この合併は視聴者にとって値上げにはつながらず、むしろ合併により番組を選択する幅が広がること、そして、たとえば現行パッケージよりも安い価格でテーマ別のチャンネル群を購入できるようになることなどが、両社の主張だった。これについて、XMの最高経営責任者(CEO)であるMel Karmazin氏は、そうしたことが可能になる大きな要因は両社の合併で実現される「効率化」だと主張している。
また、合併が実現すれば、SiriusのHoward SternやXMのOprahなど、両社のそれぞれの番組を同じラジオを聴くことが可能になる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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