太陽エネルギー業界の成長が中国の土壌を汚染しているという。Washington Postが報じている。
ソーラーパネルの製造に使用されるポリシリコンが供給不足に陥っている。ポリシリコンの生産コストを抑えるため、中国企業は有毒廃棄物を土壌に垂れ流しにしており、これにより野生生物は命を奪われ、人体を危険にさらされているという。
Washington Postの記事では、四塩化ケイ素の粉末廃棄物により、中国の内陸東部にある河南州の田園地帯が真っ白になったと報告している。ポリシリコンが1トン製造されると、4トンの四塩化ケイ素が廃棄物として出ることになる。この廃棄物からは、有毒な塩化水素ガスと酸が分離して空中に漂う。
この廃棄物は、中国のポリシリコンメーカー、Luoyang Zhonggui High-Technologyが排出しているといわれている。Washington Postによると、同社は太陽エネルギー大手Suntech Powerのサプライヤーだという。
この記事の執筆者であるAriana Eunjung Cha氏は、「中国では、ポリシリコン工場が新たな成長企業となっている」と記している。中国に新しく開設された工場は、現在世界で製造されている生産量の2倍以上の量を製造するように設定されているという。四塩化ケイ素は再利用が可能な素材だ。だが、製造者は環境保護を無視すれば、ポリシリコンの生産コストを約3分の2抑えられるという。
米国の政治家や活動家は、ブルーカラー経済の減少により生まれたギャップを埋めるため、「グリーンカラー」という職種を推し進めている。
「グリーンな」乾式壁を製造するSerious Materialsは、米国に工場を設立することを検討している。Suntech Powerも、ソーラーパネルの出荷コストを抑えるため、米国工場設立への関心を示している。
しかし、米国の監視団体および環境法は、中国のポリシリコンメーカーが非難されているこの種の産業廃棄物の排出を防止し、罰することが予想される。
新しい「クリーンな」技術のそのほかの予期しない副次的な悪影響としては、エタノール燃料のためトウモロコシの需要が高くなり、それに関連して食料コストが上昇していることや、バイオ燃料のためヤシの需要が高まりインドネシアの熱帯雨林が伐採されていることが挙げられる。また、中国の三峡ダムは、世界最大級の水力発電所を実現するために広大な土地を水没させている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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