UPDATE Appleの最高経営責任者(CEO)であるSteve Jobs氏は米国時間3月4日、同社の年次株主総会で、「iPhone」に関する話題から同氏引退後のAppleに向けた同社の計画など、株主からの多岐にわたる質問に答えた。
Appleの株主総会は、その大部分において、他社のそれと同様退屈なものに過ぎない。2008年の株主総会は、役員報酬に対して株主が関与することを求める、株主から出された拘束力を持たない提案が承認されたことで、多少関心を持たせるものとなった。しかし、カリフォルニア州クパチーノにあるApple本社で開催された今回の総会で最も注目を集めたのは、Jobs氏、最高執行責任者(COO)のTim Cook氏、最高財務責任者(CFO)のPeter Oppenheimerらが約1時間にわたって株主からのさまざまな質問に答えた質疑応答の部分だった。
以下に要約を抜粋する。
・Jobs氏は、Appleのある開発者から出された「2008年夏には数多くのアプリケーションを利用できるようになる」というiPhoneで約束したことに関する質問に対し、「Appleは今週、本社でもう1つイベントを開催する。その中でiPhoneソフトウェア開発キット(SDK)の詳細についていくつか公開する」と答えた。
Appleが6日に実際に開発キットをリリースする計画であるのか、それとも単にiPhone用アプリケーションの開発プロセスについて説明するだけなのか明らかになっていない。Jobs氏の声明は、SDKの正式なリリースとアプリケーションの公開の間に多少の時差が生じることを示唆しているようにも読み取れるが、このことは、AppleはSDKを使用して開発されたiPhone用アプリケーションの情報センタとしての役割を担う構想を持っているという報道を裏付けるものだ。
・長い間答えの出ない問題であるが、Jobs氏が引退を決意した場合、あるいはJobs氏が病に倒れたりした場合、Appleはどう対応するのか。少なくともIT業界では、企業イメージがAppleほど密接にCEOと結びついている会社は他に想像しにくい。
Jobs氏は後継者をめぐるAppleの計画について直接回答するのを避けたが、「そのことについては活発に議論している」と語った。さらにAppleの経営陣についても触れ、「誰でも私の後継者になる可能性はある」ことを確認するのが取締役会の仕事だと述べた。AppleではTim Cook氏が通常、同社の実務業務や収支報告に関する質疑応答、投資家向け会議への同社代表としての出席など、ナンバー2としての役割を果たしている。しかし、同氏にはJobs氏ほどのステージ上での存在感はない。同氏がMacworldの場で、Jobs氏のように注目を集めることに喜びを感じながら基調演説を行う姿を想像するのは難しい。
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