グーグル、電話番号と音声メールの無料配布プロジェクトを拡大

文:Marguerite Reardon(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2008年02月29日 16時09分

 Googleは米国時間2月27日、サンフランシスコのホームレスシェルターと提携し、無料電話番号と音声メールアカウントをホームレスの人々に配布すると発表した。

 これは、Grand Centralが開始したサービスを拡大したものである。Grand Centralは、Googleが2007年に買収したサンフランシスコの新興企業で、1つの電話番号で自宅、職場、携帯電話につなげることのできる技術を持つ。Googleの広報担当者は、人々が持つさまざまな通信手段を整理統合するサービスだと述べている。

 Grand Centralはすでに、サンフランシスコのGavin Newsom市長が進めるProject Homeless Connectを通じて無料電話番号と音声メールサービスを提供している。このプロジェクトでは、非営利団体など社会サービスを提供する組織や団体を結集し、医療、精神保健、薬物乱用、住宅相談、歯科治療、法律相談、無料眼鏡、カリフォルニア州ID、食料、衣料、車いすの修理などのサービスを現地提供している。

 Googleは、Grand Centralの買収後、Project Homeless Connectの定例イベントに参加し、どの電話機からでも使える無料電話番号と音声メールアカウントをホームレスに提供してきた。これまでに配布した電話番号と音声メールアカウント数は4000を超えると、Googleで音声製品を担当するシニアプロダクトマネージャーのCraig Walker氏はSan Francisco Chronicleに語っている。

 Googleは27日、Grand Centralのプロジェクトを拡大し、ホームレスシェルターと直接提携することを発表した。ホームレスシェルターは電話番号と音声メールアカウントを配布し、アカウントの設定を常時支援することが可能になる予定。Googleの広報担当者は、このサービスを拡張し、将来的にはほかの都市にも広げていく計画だと述べている。

 米国ではほとんどの人が電話サービスを当然あるべきものとし、連邦政府が設立したユニバーサルサービス基金のおかげでほとんどの家庭に電話がある。その上、80%以上の人が携帯電話を所有している。

 ホームレスの人にとって電話は贅沢品だ。だが、電話通信は米国社会では不可欠の道具である。電話番号がなければ求職活動もできず、低所得層向け住宅の待機リストに自分の名を載せることもできない。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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