Sprint NextelおよびVerizon Communicationsはともに、2007年にVonage Holdingsを訴えることに成功してから、IP電話関連の特許を新たなビジネスチャンスとみなすようになっている。
Sprint Nextelは米国時間1月24日、カンザス州ウィチタの米連邦地方裁判所において、4つの小規模電話会社を訴えていることを明らかにした。Sprintは、Nuvox Communication、BroadVOX Holdings、Big River Telephone、Paetec Communicationの4社が、Sprintの保有する6件の特許を侵害していると申し立てている。
これらの特許は、Sprintが保有する、VoIP技術関連の巨大な特許ポートフォリオの一部であり、先にVonageとの訴訟に成功した時に用いられた特許と同じものである。SprintとVonageは、結局、2007年に和解に至った。Vonageは、Sprintに合計8000万ドルを支払うことに合意した。過去のライセンス使用料として3500万ドル、今後のライセンス料全額として4000万ドル、今後のサービス前払い金として500万ドルである。
同じく2007年にVonageを提訴し、和解金として1億2000万ドルを得たVerizon Communicationsも、新たな特許訴訟を進めている。Verizonは1月に入ってバージニア州東部地区連邦地方裁判所で、VoIP技術に関連した8件の特許を侵害したとして、ケーブル事業者のCox Communicationsに対する訴訟を起こした。Coxに対する訴訟に用いられた特許のうちの2件は、先にVerizonがVonageを訴えることに成功したのと同じ特許である。
すでにSprintとVerizonは、これらの特許を主張して勝利を収めており、今回の新たな訴訟を有利に展開する上でも、確かに強力である。今回も両社が裁判所で勝利するか、訴訟相手の企業や他のVoIPプロバイダーに圧力をかけて、ライセンス契約に持ち込める可能性が非常に高い。
既存の特許ポートフォリオがドル箱へと変わり、大きな利益が生み出されることもあり得ることから、Sprintにとっては確かに朗報である。Sprintは、携帯電話キャリアとしては、ここのところ顧客の流出が続いて追い込まれており、業績アップのためには、新たに大きく売り上げを伸ばす必要に迫られている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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