研究所で調べた遺伝子のプロファイリングを利用した初めての交際相手紹介サービスが先週オンラインでスタートした。「Scientific Match」は、DNAが異なるがゆえに肉体的に引かれ合う人同士をカップルにするとうたっている。
調和したカップルは、遺伝子的に似通ったカップルに比べて、互いに相手の自然なにおいを好ましく感じ、ベッドでも喜びが大きく、より健康な子供を授かるとScientific Matchは主張している。
このサービスは現在ボストン地区でのみ提供されており、1年間の登録料金は1995ドルである。
「この手法が将来の出会い系サービスの主流になっていくと強く信じている」とメカニカルエンジニアで創設者のEric Holzle氏は述べる。
加入者はほおの粘膜を綿棒で採取し、だ液のサンプルを送付する。研究所は2週間かけて免疫システムの遺伝子を分析し、次に遺伝子プロフィールが似ていない個人同士を組み合わせる。
「われわれはDNA上の特定の6カ所の遺伝子参照ポイントを見るが、カップルを成立させるには6カ所のどのポイントも一致しないことが条件だ」とHolzle氏は説明する。
Holzle氏は十数年前の有名な「汗まみれのTシャツ」の研究にヒントを得たという。この研究で生物学者らは、女性は自分とは免疫システムの異なる男性が着ていたシャツのにおいを好むことを発見した。
他の出会い系サイトと同じように、Science Matchではユーザーがプロフィールを記入して写真をアップロードすることもできる。カップルが成立したことを示す場合を除いて遺伝子の詳細な情報は表示されない。また、同サイトは犯罪経歴をチェックしており、暴力やなりすまし犯罪などの犯罪経歴のある人物は除外される。
Scientific Matchは非同性愛者と同性愛者の両方が利用できる。しかし、受胎調節用のピルを服用している女性は利用できない。これは、ピルを服用している女性は自分と似た免疫システムの遺伝子を持つ男性に引かれる傾向があるという研究結果があるためだ。
しかし、これまでのところ利用者は数えるほどしかいないので、このサービスが成功か失敗かを判断することはできない。Holzle氏は理想の相手が必ず見つかるとは保証していないが、Scientific Matchによって結ばれたカップルは、少なくとも互いに相手のにおいについては魅力的に感じるはずだと主張している。
においが恋愛において果たす役割については、詩歌や科学によって十分に裏付けられている。香水メーカーは、フェロモン(人体に自然に存在する催淫薬のようなもの)の人工合成品さえ香水にブレンドしている(例えばParis Hiltonの名前を冠した香水など)。
しかし、人工フェロモン入りの香水や、遺伝子プロファイリングによって恋愛関係を予測したりするといったことの効果はいまのところ科学的には証明されていない。
分子生物学者で「同性愛者の遺伝子」の発見者とされる著述家のDean Hamer氏に言わせると、Scientific Matchは疑似科学に過ぎないという。
「因果関係や相関関係についての知識を持たない人々を餌食にする、まったくの詐欺としか思えない」とHamer氏は述べ、さらに、遺伝子による差別のためにまだ見ぬすばらしい相手に出会うチャンスを誤ってつぶしてしまう可能性があると言い添える。「それなら単に相手の脇の下のにおいをかげば済むことではないか」(Hamer氏)
しかし、起業家たちはゲノム科学やバイオテクノロジーの進歩をフルに活用して、ハイテク結婚紹介所をめぐる状況を一変させようとしている。この分野には無限の可能性がある。例えば、相手を特定しない性行為や性欲の強さに関連づけられている遺伝子を利用してカップルをまとめようとした人はいまのところ誰もいない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
研究所で調べた遺伝子のプロファイリングを利用した初めての交際相手紹介サービスが先週オンラインでスタートした。「Scientific Match」は、DNAが異なるがゆえに肉体的に引かれ合う人同士をカップルにするとうたっている。
調和したカップルは、遺伝子的に似通ったカップルに比べて、互いに相手の自然なにおいを好ましく感じ、ベッドでも喜びが大きく、より健康な子供を授かるとScientific Matchは主張している。
このサービスは現在ボストン地区でのみ提供されており、1年間の登録料金は1995ドルである。
「この手法が将来の交際相手紹介サービスの主流になっていくと強く信じている」とメカニカルエンジニアで創設者のEric Holzle氏は述べる。
加入者はほおの粘膜を綿棒で採取し、だ液のサンプルを送付する。研究所は2週間かけて免疫システムの遺伝子を分析し、次に遺伝子プロフィールが似ていない個人同士を組み合わせる。
「われわれはDNA上の特定の6カ所の遺伝子参照ポイントを見るが、カップルを成立させるには6カ所のどのポイントも一致しないことが条件だ」とHolzle氏は説明する。
Holzle氏は十数年前の有名な「汗まみれのTシャツ」の研究にヒントを得たという。この研究で生物学者らは、女性は自分とは免疫システムの異なる男性が着ていたシャツのにおいを好むことを発見した。
他のオンライン紹介サイトと同じように、Science Matchのユーザーもプロフィールを記入して写真をアップロードすることができる。カップルが成立したことを示す場合を除いて遺伝子の詳細な情報は表示されない。また、同サイトは犯罪経歴のチェックも実行しており、暴力やなりすまし犯罪などの犯罪経歴のある人物は除外される。
Scientific Matchは非同性愛者と同性愛者の両方が利用できる。しかし、受胎調節用のピルを服用している女性は利用できない。これは、ピルを服用している女性は自分と似た免疫システムの遺伝子を持つ男性に引かれる傾向があるという研究結果があるためだ。
しかし、これまでのところ利用者は数えるほどしかいないので、このサービスが成功か失敗かを判断することはできない。Holzle氏は理想の相手が必ず見つかるとは保証していないが、Scientific Matchによって結ばれたカップルは、少なくとも互いに相手のにおいについては魅力的に感じるはずだと主張している。
においが恋愛において果たす役割については、詩歌や科学によって十分に裏付けられている。香水メーカーは、フェロモン(人体に自然に存在する催淫薬のようなもの)の人工合成品さえ香水にブレンドしている(例えばParis Hiltonの名前を冠した香水など)。
しかし、人工フェロモン入りの香水や、遺伝子プロファイリングによって恋愛関係を予測したりするといったことの効果はいまのところ科学的には証明されていない。
分子生物学者で「同性愛者の遺伝子」の発見者とされる著述家のDean Hamer氏に言わせると、Scientific Matchは疑似科学に過ぎないという。
「因果関係や相関関係についての知識を持たない人々を餌食にする、まったくの詐欺としか思えない」とHamer氏は述べ、さらに、遺伝子による差別のためにまだ見ぬすばらしい相手に出会うチャンスを誤ってつぶしてしまう可能性があると言い添える。「それなら単に相手の脇の下のにおいをかげば済むことではないか」(Hamer氏)
しかし、起業家たちはゲノム科学やバイオテクノロジーの進歩をフルに活用して、ハイテク結婚紹介所をめぐる状況を一変させようとしている。この分野には無限の可能性がある。例えば、相手を特定しない性行為や性欲の強さに関連づけられている遺伝子を利用してカップルをまとめようとした人はいまのところ誰もいない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」