Network Appliance(NetApp)は9月、Sun Microsystemsのファイルシステム「ZFS」がNetAppの7件の特許を侵害しているとしてSunを提訴した。これに対し、Sunは米国時間10月25日、NetAppがSunの12件の特許を侵害しているとして同社を逆提訴した。
Sunは訴状の中で、NetAppの特許は無効であり、SunはいずれにしてもNetAppの特許を侵害していないと主張している。またSunは、同社の特許を侵害している製品の販売を禁じる差し止め命令をNetAppに下すよう裁判所に求めている。
特許訴訟は費用がかかる上に、苦しい訴訟になる場合が多い。特に、シリコンバレーのライバル企業同士の訴訟は好ましくない。それらの企業は、共通の顧客を抱えていたり、ビジネスパートナーである場合もあるからだ。SunとNetAppの訴訟は、テキサス州東部地区連邦地方裁判所だけでなく、ブログ界でも争われている点で特に興味深い。Sunの最高経営責任者(CEO)であるJonathan Schwartz氏とNetAppの創設者であるDave Hitz氏は、これまで中傷合戦を繰り広げ、係属中の訴訟における互いの不必要に好訴的な行動に失意を表明してきた。
これまで、訴訟に関する無数の質問に対し「ノーコメント」の言葉しか聞けなかった私のような記者にとって、これらのブログは、普段なら無味乾燥な訴訟に対する興味を掻き立ててくれた。しかし、訴訟に関する発言が裏目に出る場合もある。その端的な例がThe SCO GroupのCEOであるDarl McBride氏だ。同氏は、あまりに大っぴらに訴訟を批判したため、担当判事らの不評を買った。
Sunの顧問弁護士を務めるMike Dillon氏は25日、今回の対抗訴訟について見解を述べた。その際、同氏はNetAppについて、オープンソースソフトウェアへの移行に対処できない企業と表現した。「しかし、NetAppはオープンソースの世界についてSunとは全く異なる見方をしていることは確かだ。われわれはすでに(オープンソースへの)転換を図ってきたが、NetAppはそれを検討できない」(Dillon氏)
一方、Hitz氏もSunの対抗訴訟について自身の見解を発表した。Hitz氏は、NetAppの従業員らに送付した彼らの雇用を保証するという内容のメモを公表した。また同社の顧客に対しても、まだNetAppの製品は購入可能であると訴えた。
「私が思い出せる限りで、大手企業が危うく閉鎖に追い込まれそうになった訴訟といえば、RIMとNTPの間で争われたBlackBerry訴訟だが、この訴訟でさえ、そこまでこぎつけるのに長い年月を要した。そして、最終的にRIMはBlackBerryの販売差し止めを回避した。よって、Sunが脅迫(ともいえる対抗訴訟)を成就できる可能性はゼロに近いと言って間違いないだろう」(Hitz氏)
Hitz氏がいらだたしいと語ることの1つは、「Schwartz氏が自身をオープンソースの旗の下にあるという姿勢」だという。「われわれはオープンソースにも、ZFSの非営利使用にも反対していない。オープンソースの第一義的なルールは、所有しているものを無料配布するということだけだ。この訴訟の争点はその1点だ。そのほかの点は取るに足らないことだ」(Hitz氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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