MS会長B・ゲイツ氏の退任後の役割と残されたタスク

文:Ina Fried(CNET News.com)
翻訳校正:ラテックス・インターナショナル
2007年10月22日 17時42分

 サンフランシスコ発--Bill Gates氏にはやりかけの仕事が残っている。

 Gates氏は長年、マウスやキーボードに加え、音声やタッチ操作、手書き入力など、より自然な方法を用いたコンピュータの操作を社内外で熱心に提唱してきた。

 しかし、2008年の非常勤勤務への準備を進めている現段階で、同氏の構想はまだ社内の研究所に留まっており、一般家庭や企業には浸透していない。しかし、Gates氏は、社内での役割が新しく限定されたものになる今後も、構想を推し進めていくつもりだと語った。

 Gates氏は米国時間10月16日、CNET News.comに対し、「大画面、タッチ操作、手書き入力、音声は、クラウドコンピューティングと並んで、ソフトウェアの考え方を大きく変えるだろう」と述べた(クラウドコンピューティングとは、現在、個々のコンピュータによって処理されているコンピュータタスクの多くが、将来、インターネットで接続された巨大データセンタにあるサーバによって処理されるようになるという概念)。「Ray Ozzieは現在、クラウドコンピューティングを推進している。ナチュラルインターフェースについては、彼とSteve(Ballmer)は私にプロジェクトへのエネルギーと豊富なビジョンを持ち続けることを期待していると思う」(Gates氏)

 Microsoftに大きな利益をもたらしてはいないものの、Gates氏は社内で音声認識、手書き認識への投資を積極的に呼びかけ続けている。1990年代、Gates氏のComdexでの基調演説で何度も取り上げられた「Tablet PC」は今なお、特定分野の製品のままだ。また、「Vista」にはPCの音声操作機能が搭載されたが、ほとんど注目されず、OS自体も、登場から1年たつが、あまり熱狂的な支持を受けていない。

 Gates氏とともにユニファイドコミュニケーションに取り組んでいるMicrosoftのコーポレートバイスプレジデント、Gurdeep Singh Pall氏は、Gates氏が音声認識がなかなか浸透しないことにいらだちを示していると語った。Pall氏によれば、Microsoftは少なくとも1991年からこの技術に投資している。

 「Billは音声認識に非常に熱心で、マシンを操作する自然な方法としての音声認識の可能性を強く信じている。音声認識は彼が非常に関心を持っている分野であり、何が限界なのか、どうしたらその限界を突破できるか理解することに意欲的だ」とPall氏は述べている。

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