Microsoftの最高経営責任者(CEO)であるSteve Ballmer氏が、交渉相手となり得る企業に対して、堂々と誘いをかけている。これほどWeb 2.0らしい手段が他にあるだろうか。
Ballmer氏は米国時間10月18日、サンフランシスコで開催のWeb 2.0 Summitにおいて、Microsoftが戦略的買収のターゲットを模索中であることを明らかにした。
「Microsoftは、技術、製品、市場シェアを、買収によって手中に収める方針を継続する。今後5年間は、5000万ドルから10億ドルの規模で、毎年20社以上のペースにて買収を進めていく」と、Ballmer氏は語った。
パレスホテルの立席のみのメインホールに詰めかけた聴衆を前に、Ballmer氏は、Microsoftが買収候補として、オープンソースソフトウェアメーカーも視野に入れることになると述べた。
「小規模の企業を買収予定である。オープンソースソフトウェアを、ある程度使いこなしている小規模の企業を買収していきたい。まずまずオープンソースを活用しているというだけの理由で、買収交渉の可能性のある企業をがっかりさせるようなことはしたくない」と、Ballmer氏は語っている。
Microsoftの買収拡張プランについて、驚くほど率直に言及したBallmer氏ではあるものの、カンファレンスを共催したJohn Battelle氏からの、Facebookとの提携関係についての質問は巧みにかわしてしまった。2006年にMicrosoftは、Facebookに対して、広告技術やリスティング広告を提供する契約を締結した。Battelle氏は「提携による財務状況はどうなっているのか」と尋ねたものの、Ballmer氏は、ただにっこりと笑って答えを濁した。
「(Facebookの最高経営責任者(CEO)である)Mark(Zuckerberg氏)が明らかにしている通り、提携は非常に上手くいっており、これが答えになると思う。Facebookとは、広告面で優れたパートナーシップを結べたことだし、おのずとその結果も明らかになってくるだろう」と、Ballmer氏は答えている。
ソフトウェアビジネス業界の巨人に例えられるMicrosoftは、古くからのライバル企業、新たなライバル企業を問わず、近年は熾烈な競争を強いられてきた。また、Ballmer氏自らが、Microsoftは検索ビジネスにおいて、ややGoogleに遅れを取っていると、苦境にあることを認め、複雑な反響を呼んだ。
「すべての現状に満足していると述べるべきだし、何事も多大の改善を必要としていると述べるのがよいだろう。どの分野にも多くの良い面があると同時に、どの分野にも多くの改善の余地がある」と、Ballmer氏は語った。
Googleは、「いわゆる一芸に秀でた企業」だとみなしているのかを問われた時、Ballmer氏は、問題の核心をそらして、次のように回答した。「大半のテクノロジ企業にとって真実であることの1つは、1つの分野から事業を始めたと言うことだ。その分野で力をつけ、それから周辺分野に手を広げる。われわれがいま、3つから4つの分野に秀でた企業になろうとしている」
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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