ソニーとソニー・コンピュータエンタテインメント(以下、ソニーグループ)は10月18日、ゲーム機用の高性能半導体生産に向けてIBMおよび東芝との協力体制を強化すると発表した。
まずIBMに対しては、これまで高性能プロセッサ「Cell Broadband Engine(以下、Cell/B.E.)」の製造について協力関係を構築してきたが、45nm SOIプロセス技術を用いたCell/B.E.の量産化についても協力関係を進展させることで合意。45nm製造能力を最適化し、ソニーの「プレイステーション3」向けとして低消費電力かつ低コストな高性能半導体の量産化体制を構築していく。
これを受けてIBMでは、米国ニューヨーク州イーストフィッシュキルにある既存の65nm製造体制を45nmに移行するという。
東芝とは、45nmバルクプロセス技術を用いた高性能半導体の製造強化に向けて協業関係を進展。ソニーグループと東芝のノウハウを結集させた合弁会社(社名未定)の設立で基本合意したという。
新合弁会社では、Cell/B.E.や画像処理用LSI「RSX」など高性能半導体の生産を実施。プロセス技術を65nmから45nmに移行させ、ゲームやデジタル機器向けの高性能半導体について更なる進化と競争力強化を目指すという。
新合弁会社の所在地は長崎県諫早市、設立は2008年4月1日を予定しており、社名や従業員数は未定。資本金は1億円で、出資比率は東芝が60%、ソニーが20%、ソニー・コンピュータエンタテインメントが20%になる見込みだ。
さらに、ソニーセミコンダクタ九州 長崎テクノロジーセンター内にあるFab2の300mmウェハーライン製造設備を、2008年3月末までに東芝へ譲渡する旨の、各当事者の意図を確認する基本合意書を締結。同ラインでの生産は、新合弁会社で行う予定だという。
そのほか、東芝とソニーグループが「プレイステーション2」用半導体の製造を目的として、1999年に東芝大分工場敷地内へ設立した製造合弁会社「大分ティーエスセミコンダクタ」に関しては、2008年3月の契約満了をもって合弁関係を終了、設備資産を東芝がソニーから買い取ることについても基本合意したという。
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