金融調査会社のPiper Jaffrayが半年に1度実施している、米国の高校生を対象としたテクノロジに関する調査の最新版では、当然の結果といえるものとともに、興味深いこともいくつか明らかにされている。
まず、「当然」とも言える調査結果に目を向けてみよう。知らない人のために書いておくと、この調査では、ポータブルメディアプレーヤー市場においてAppleが大きなシェアを握っているということが確認された。Piperが調査した生徒のうち、80%がポータブル音楽プレーヤーを所有しており、そのうちの82%がiPodのいずれかのモデルを所有していた。1年以内に音楽プレーヤーを購入する予定にしている生徒の78%がiPodを購入する予定だと回答した。
驚くにはあたらないが、高校生もまた、ファイル共有に対する米レコード協会(RIAA)の取り組みは気にしていないようだ。Piperによると、生徒の82%が楽曲をダウンロードしており、オンラインで楽曲を入手した生徒の約3分の2がファイル共有サービスを利用していた。この数値は、生徒の80%がPtoPネットワークを通じてオンラインで楽曲を入手していたという2年前の調査結果よりもいくらか下がっているものの、それでもかなり高い。
調査結果を詳細に見てみると、より興味深い数値がいくつか浮かび上がってくる。例えば、Microsoftの「Zune」プレーヤーは、iPodに大きく水をあけられているものの、他のプレーヤーを引き離して2番手に躍り出ている。1年以内に音楽プレーヤーを購入する予定のある生徒のうち、13%がZuneを購入すると回答した。しかし、予想通り、この結果はiPodの人気が落ちたということではない。春に行われた前回の調査では、音楽プレーヤーを買う気のある生徒の73%がiPodを欲しいと回答していたが、今回の調査では78%が欲しいと回答している。ソニーの音楽プレーヤーの人気は大きく落ちており、同社のプレーヤーを欲しいと回答した生徒は、半年前の調査では11%であったが、今回はたったの4%にまで低下している。
オンラインで合法的に楽曲を購入する生徒は、半年前に比べると、Appleのサービスを利用する頻度を減らしている。高校生市場(少なくとも楽曲にお金を出す気のある生徒については)におけるAppleのシェアは前回の調査では89%だったが、最新の調査では79%へと減少している。Piperはその理由として、デジタル著作権管理(DRM)フリーの楽曲が他のサービスで提供されていることと、PtoPによるダウンロードが引き続き行われていることを挙げている。とはいえ、利益率の高いiPodが引き続き人気を集めているため、PiperによるとAppleの状態は良好であるはずだという。
そしてもちろん、iPhoneのことに触れずしてこの記事を終わることはできない。生徒の3%がiPhoneを所有していると回答し、半年以内にiPhoneを購入する予定があると回答したのは9%だけだった。これはおそらく、調査に協力した生徒の平均年齢が16.4歳であり、その年齢の子供は、父親か母親が気前良くない限り、携帯電話に399ドルも払えないということなのだろう。
Piperの調査ではMacに関する項目がなかったものの、この分野で起こっていることを評価するには大学生を対象とする方が良いだろう。プリンストン大学の学生新聞によると、同大学の学生たちの間ではMacが人気で、ミネソタ大学やコネチカット大学、ミズーリ大学でも同様の傾向があるという。新学期のための買い物シーズンはAppleの第4四半期(9月末まで)にあたるため、同社が2週間後に決算報告を行う際には、この傾向がどれほど広範囲に及んでいるのかということについてもう少し詳しいことがつかめるかもしれない。
Piperは、広範に及ぶ購買習慣について980人の生徒を対象に調査し、高等学校11校800人には特にデジタルミュージックとiPhoneに関して調査を実施した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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