UPDATE Vonageは、Verizon Communications保有の特許に対する侵害をめぐる訴訟で上訴し、数カ月に及ぶ法廷闘争を繰り広げてきたものの、その大部分で敗訴が確定した。
バージニア州の陪審は3月、VonageがVerizonの保有する3件の特許を侵害したとの評決を下した。米国連邦地方裁判所は、Verizonが5800万ドルの損害を被ったとの判断を示すと共に、Vonageが訴訟プロセスの期間中に、特許侵害によって得たとされる売上の5.5%も損害額として支払うことを命じた。
連邦地裁の判事は、Vonageに対して、Verizonの特許技術を侵害して提供されているサービス中止を求める差し止め命令を出していた。しかしながら、Vonageが上訴手続きを取ったため、差し止め命令の執行には至っていない。
だが、Vonageの上訴も、米国時間9月26日に終局を迎えた。今回の結審により、いまやVonageは、巨額の損害賠償を支払うと同時に、IP電話サービス提供の完全停止に追い込まれる危険性にも直面している。
とはいえ、複雑な法的訴訟にはよくあることだが、判決が実際に与える影響の度合は、現時点では全く定かでない。今回の最終判決において、米国連邦控訴裁判所は、Vonageが侵害したとされていた3件の特許のうち、1件は侵害を認めず、2件に関してのみ特許侵害を認めた。また、3月に連邦地裁が命じた5800万ドルの損害賠償額は、3件の特許侵害行為に基づいて算出されたため、連邦控裁は、連邦地裁に対して、Vonageに科される損害賠償額の見直しを求めた。
同時に、今回の判決は、Vonageが部分的に勝利を収めたかにも見える。実際に、Vonageも同様の声明を出している。
Vonageの最高法務責任者(CLO)であるSharon O'Leary氏は、声明で「われわれの利益を図って、連邦控訴裁判所が賢明な配慮を示してくれたことに感謝している。6359880号の特許侵害および損害賠償を認めないとの判断を、喜びのうちに受け止めた。われわれは、6359880号の特許侵害に及んだことは過去に1度もないと確信しており、今後もこの立場を一貫して主張し、訴訟でも明確に示されることを期待している」とのコメントを発表した。
だが、現実の状況に目を向けると、全く異なった面も見えてくる。その1つとして、連邦控訴裁判所が、引き続き特許侵害を認めた2件の特許は、Vonageが提供するサービスの正に根幹を成すものでもあるようだ。これらの特許(米国特許番号6282574号と6104711号)は、通話をインターネットを介してルーティングする方法を定義している。これは現在、VonageのIPテレフォニーサービスにおいて基礎となっている技術である。
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