連邦陪審は米国時間9月25日、インターネット電話会社のVonageがSprint Nextelの保有する6件の特許を侵害しているとの評決を下し、Vonageは再び法廷闘争で大きな痛手を被った。
陪審はVonageに対して6950万ドルの損害賠償支払いを命じた。
Sprintは2005年、Vonageがインターネット電話の通話接続に関するSprintの7件の特許を侵害しているとしてVonageを提訴した。Vonageはこの主張を否定し、そもそもSprintの特許は認められるべきでなかったと主張した。
Vonageは声明の中で、連邦地裁の評決を不服として上訴すると述べている。一方、Sprintの特許を侵害しない技術的な回避策を開発することも表明している。
「当社の技術がSprintの特許とは異なることを陪審が認めてくれなかったことは残念だ」と、Vonageの最高法務責任者(CLO)であるSharon O’Leary氏は声明で述べている。
これは2007年にVonageが直面した一連の法廷闘争における敗北の最新のケースである。バージニア州の陪審は3月、VonageがVerizon Communicationsの保有する3件の特許を侵害したとの評決を下した。そして連邦地裁はVonageに対して5800万ドルの損害賠償支払いとともに、特許を侵害したとされる期間に得た将来利益の5.5%を特許権使用料として支払うように命じた。Vonageは現在この判決を不服として上訴している。
評決を受けてVonageの株価は9月25日、33%以上も急落し、1株1.30ドルで引けた。O’Leary氏は、今回の判決が同社にとって痛手になるだろうという顧客や投資家の不安を和らげようと努めた。
「当社の最優先の課題は、顧客に高品質で信頼性の高いデジタル電話サービスを提供することだ」とO’Leary氏は声明で述べている。「Vonageは進行中の訴訟に対処すると同時に、顧客と中核事業にも集中し続けられることをすでに証明している」
しかし実際には、Vonageは法廷闘争の一方で事業の運営面でも非常に厳しい状況に追い込まれている。同社は8月、加入者の増加率が大きく減少したと報告している。2007年の第2四半期の新規加入者は5万7000人に過ぎなかった。これは第1四半期の16万6000人と比べると極めて大幅な減少である。
しかし、Vonageの抱えている問題は新規顧客の獲得だけではなかった。顧客の定着にも苦慮していたのである。第2四半期の解約率は第1四半期の2.4%から2.5%に増加している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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