Appleはフラッシュメモリ市場に多大な影響力を持つため、同社は、サムスン電子の製造工場の停電による深刻な被害を受けることはないかもしれない。
フラッシュメモリメーカーは新しい製造技術へと移行しているため、2007年後半に向けた製造は既に開始していた。しかし韓国で現地時間8月3日に起きた停電により、サムスン電子製のフラッシュメモリチップを使用するメーカーらには、このクリスマスシーズンに向けて深刻な問題が生じるかもしれない。
アナリストらは、今回の停電により、サムスン電子の第3四半期の製品の15%が失われると予測していた。サムスン電子の製造ラインが停止するだけでなく、製造プロセス内にあったフラッシュメモリチップは、工程の途中で中断されたことにより破損する恐れがある。チップ製造とパイを焼く作業は、想像以上によく似ている。もし台所が数時間停電すると、焼いている途中のパイは無事であるとは限らない。
しかしAppleは他の企業とは異なり、今秋「iPod」および「iPhone」に必要となるフラッシュメモリチップを問題なくすべて入手できそうである。
Appleは、サムスン電子やその他のフラッシュメモリベンダーとの契約について直接公表することはしていないが、同社の音楽プレーヤー市場での勢力から、Appleは優先的にフラッシュメモリを供給してもらうという契約を得ていると考えられている。台湾のアナリスト企業であるDRAMeXchangeの見積もりによると、Appleは世界中に供給されるNAND型フラッシュメモリの25%を消費し、サムスン電子は世界中のNAND型フラッシュメモリの約44%を供給するという。
今回の停電により、Appleの将来のフラッシュメモリベース機器に関する計画は遅延されることになるかもしれない。iSuppliは米国時間8月3日のリサーチノートで、サムスン電子が目標とする4日までに製造が再開されるならば、多少の穴は他のサプライヤが埋める可能性があるため、停電による被害はそれほど大きくならないだろうと述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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