Googleが計画している31億ドルでのDoubleClick買収に反対する新しい団体が出てきた。Canadian Internet Policy & Public Interest Clinic at the University of Ottawa(CIPPIC)という長い名称を持つ団体だ。
CIPPICは、カナダの競争監督当局に対し、GoogleとDoubleClickの取引を調査するよう申し出ている。CIPPICもこれまで2社の合併に反対意見を示した団体と同様、Googleによるキーワード検索市場の独占や、DoubleClickのディスプレイ広告市場におけるリードを理由に、2社の合併はオンラインターゲット広告市場の競争を阻害する、もしくは大幅に減らすと主張している。
「GoogleとDoubleClickの合併は、電子商取引に大きな影響を与える」とCIPPICのディレクターであるPhilippa Lawson氏は声明で述べている。「この合併により、Google-DoubleClickは前例のない影響力を持つことになり、この影響力を利用してオンライン広告価格を操作できるようになってしまう。広告主とウェブ発行者が電子商取引市場で露出を増やそうと思ったら、選択肢はほとんど残されておらず、Googleの広告プラットフォームを選択するしかなくなってしまう」
Googleの広報担当はこれに反応し、次のような声明を発表している。「この度の買収により、競争環境がリスクにさらされることはないと考えている。またわれわれは、消費者のプライバシーも尊重するつもりだ。多くの独立系アナリストや学者が今回の買収について調査し、オンライン広告市場が(ここ最近の複数の買収案件からも分かるように)ダイナミックかつ発展性のある分野であり、業界内の競争が活性化されれば、消費者により関連性の高い広告が届くようになるほか、広告主やウェブ発行者には多くの選択肢が提供されるようになると結論付けている」
GoogleによるDoubleClickの合併については、すでに米連邦取引委員会(FTC)が調査を開始しており、米国の上下両院の小委員会も聴聞会を予定している。また、電子プライバシー情報センター(EPIC)、デジタル民主主義センター(CDD)および米国公共利益調査グループ(PIRG)の3団体が、プライバシーと競争を懸念しているとして、FTCに共同で申し立てを行った。欧州では、消費者団体のBEUCが欧州委員会に取引を調査するよう申し立てている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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