オフィスにあるレーザープリンタからの排出物質がタバコの煙と同じくらい健康に害があることをオーストラリアの大学教授が明らかにし、プリンタ排出物質の規制を呼びかけている。
米英においては、公共の場での喫煙が禁止されて以来、オフィスで空気の心配は不要になっていた。だがそこに、新たな心配が降りかかってきたことが、Lidia Morawska物理学教授率いるクイーンズランド工科大学の大気保全および健康維持プログラムの調査で明らかになった。
International Laboratory for Air Quality and Healthに属するMorawska教授のチームや大気粒子の専門家によると、平均的なプリンタは、肺の奥に入り込んで心肺機能に障害を引き起こすトナー粒子を放出しているという。
同チームがいずれも比較的新しい62機種のレーザープリンタをテストしたところ、このうちの17機種がトナー粒子を「大量に放出」することが分かった。オフィス用のコピー機も同様の技術を採用しているが、こちらは粒子を放出しないことが分かっている。
この粒子はまだ完全な化学分析が終了していないが、The Sydney Morning Herald紙の記事によると、そのなかには発がん性物質が含まれる可能性もあるという。この記事によると、粒子の放出が多い機種には、「1320」や「4250」などHewlett-Packard(HP)製「LaserJet」の複数のモデルが含まれているが、HP「LaserJet 4050」シリーズの8機種については排出物質がないという。
プリンタの排出物質データは、同大学とクイーンズランド公共事業局によるオフィス換気システムの共同調査中に、屋外の交通機関から生じる5倍の粒子が屋内で見つかったことから偶然得られた。研究者らは、電子探知器を使って排出物質がプリンタによるものであることを突き止めた。排出物質は、プリンタがスタンバイもしくは稼働状態になる日中に増加することが分かった。
この新事実を受け、Morawska教授のチームは自分たちが所有するプリンタをテストし、健康に害のあるものについては人から遠ざけた。研究者らは現在、プリンタの排出物質に対する規制を呼びかけている。この調査には、キヤノン、HP LaserJet、リコー、そして東芝のプリンタが含まれている。同大学は、本記事の配信時点ではまだ総合結果を公表していない。
HPは現在この調査結果を評価中だという。
同社は声明のなかで、「標準化された動作環境における精力的なテストは、HPの研究開発と厳しい品質管理手順に欠かせない。これらの品質管理の一貫として、HPは適用される国際衛生安全要件への準拠を確実に保証すべく、LaserJetプリンティングシステムと、純正のHPプリントカートリッジや用紙については、塵排出と排出物質の評価を行っている」と述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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