米国の人気ラップ歌手EminemがAppleを相手取り、著作権侵害で数百万ドルの賠償金を求める訴訟を起こした。
米国時間7月31日付けの「The Detroit News」紙の記事によると、Appleの「iTunes Store」でEminemの楽曲がダウンロード販売されているが、Eminemの音楽出版社らは楽曲のダウンロード販売を許可した覚えはないと主張しているという。
Appleは、Eminemの楽曲のダウンロード販売による売り上げの一部を、楽曲の配布元であるUniversal Music Groupに支払っているが、Eminemの音楽出版社には払っていない、と記事は伝えている。Eminemの音楽出版社であるEight Mile Styleと著作権管理者のMartin AffiliatedはAppleに対し、ダウンロードによる楽曲提供を中止するよう求めている。
今回の問題の原因は、ダウンロード販売を許可する権利の保有者が誰かをめぐって混乱が起きていることにある、とThe Detroit News紙は指摘する。Eminemは、レコード会社がそうした権利を独占するのではない、と主張したいらしい。
EminemとAppleは、以前にも法廷で争ったことがある。Eight Mile StyleとMartin Affiliatedは2004年、Eminemのヒット曲「Lose Yourself」がAppleの携帯音楽プレーヤー「iPod」のテレビCMに無断で使用されたとして訴えを起こした。この件については、2005年5月に和解が成立している。
Berger Kahn法律事務所でエンターテインメント関係を専門に扱う弁護士で、Steve Winwood、Barry Manilow、Stevie Nicksといったアーティストの弁護も担当したことがあるOwen Sloane氏は、もっと多くのエンターテイナーが法廷に立って、デジタル世界のパイの取り分を拡大するよう求めることを期待する、と述べている。音楽出版社もまた、音楽ロイヤリティーの配分方法について不満を表明していた。
Sloane氏は次のように述べている。「すべての音楽出版社は、代金を回収するためにレコード会社を追いかけ回さなければならないことにうんざりしている。ときには、そうした代金が正しく計算されていないこともあるだろう。だから音楽出版社は、レコード会社を通じてではなく、購入者から直接お金を受け取る方がよいと思っている」
この件に関してAppleに取材を申し込んだが、応じてもらえなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス