動画共有サイトYouTubeは米国時間4月20日、大統領候補のJohn McCain氏が、イラン爆撃に関する替え歌を即興で歌う姿を撮影した動画を誤って削除したことを認め、同動画を再掲載することを明らかにした。
アリゾナ州選出の上院議員であるJohn McCain氏は先週、サウスカロライナ州で遊説中、人気ロックバンドBeach Boysの楽曲「バーバラ・アン(Barbara Ann)」の音楽に合わせてイラン攻撃に関する冗談を述べた。McCain氏は、「あのBeach Boysの昔の曲、Bomb Iran(イラン爆撃)さ」と述べた上で、オリジナル曲の「Ba ba ba ba barbara ann」という部分を「Bomb, bomb, bomb, bomb, anyway(爆撃だ、爆撃だ、爆撃だ、爆撃だ、とにかく(イランを)爆撃しろ)」に替えて歌った。
会場の後方にいた人物がカメラ付き携帯電話と見られる機器で撮影したその動画には、McCain氏の替え歌を聞いて聴衆が笑っている様子が映っている(この動画はここ数時間の間に再掲載された。視聴するにはここをクリック)。
しかし、このビデオクリックはGoogle傘下のYouTubeによって削除された。YouTubeの広報担当は、匿名を条件に次のように語った。「われわれのコミュニティーからMcCain氏の動画に関する反響が即座に寄せられたことを感謝している。ユーザーたちから(同映像は不適切との)報告があったため、われわれはそのビデオを再検討し、誤って削除してしまった。われわれは状況を調査し、その後、同ビデオを再掲載した」
このほかにも、同動画が削除された正確な日時や、政治家候補がYouTubeの苦情処理システムを利用して自分に対する批判を抑え込むことがないようにするためにどのような手続きが取られているか、といった質問を行ったが、同広報担当は回答を控えた。YouTubeでは、ユーザーたちが、特定の動画の内容が「不適切」であるとの報告ができる仕組みになっている。
New Yorker誌が2月に報じたところによると、Bush政権はイラン爆撃の予定はないと公言しているが、米国防総省は、Bush大統領の許可が下り次第、イラクを爆撃する計画をひそかに立てているという。現在、イランはイラクの反乱軍を支援していると非難されており、McCain氏もかつて、イスラエルを保護するためにはイランを爆撃する必要があると発言している。
YouTubeが同サイトに投稿された政治的内容の動画を削除したことをめぐり論議が噴出したのは今回が初めてではない。電子フロンティア財団(EFF)は、削除すべきでなかったと同財団が主張する動画の例を示している。
またEFFは最近、MoveOn.orgとBrave New Filmsの2つの団体に代わってメディア大手のViacomを提訴した。EFFによると、MoveOn.orgとBrave New Filmsは、Viacom傘下の「Comedy Central」が放映する番組「The Colbert Report」のパロディ映像を製作してYouTubeに投稿したが、Viacomからの「根拠のない」著作権侵害の苦情により、同サイトから削除されたという。
MoveOn.orgの市民コミュニケーション担当ディレクターであるAdam Green氏は、McCain氏の動画が(YouTubeから)削除されたことについて次のように語った。「今こそ、譲れない一線を示して、まず政治演説を削除し、その後に質問をすることは絶対に許されない行為だということを明確にすべきだ」
最近も、YouTubeに別の反Bush動画が投稿された。このビデオは、NBCの人気テレビ番組「The Office」の設定で、Paul Wolfowitz世界銀行総裁をからかう内容の作品だ。Wolfowitz氏は現在、行内規定に反する雇用をめぐる論議に巻き込まれている。その他にも、民主党大統領候補のJohn Edwards氏が2分以上かけて髪形を整え、写真撮影用のメイクアップをする姿を撮影した映像も存在する。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。海外CNET Networksの記事へ
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