近いうちにガソリンで動くミュージックプレーヤーが登場するかもしれない。
Medis Technologiesが、ポータブルデバイス用の常時可動型燃料電池の出荷を開始した。Medisによると、最初の顧客はMicrosoftで、同社はこの燃料電池を自社ブランドで販売するだろうという。
Medisの燃料電池は、液化メタノールを酸素とメンブレインに触れさせて発電する。メンブレイン内部の触媒(通常はプラチナ)がメタノールから電子を取り出す仕組みだ。この電子でポータブルデバイスが動作する。また、水や二酸化炭素が副産物として生じる。
東芝、サムスン電子、MIT Micro Fuel Cells、およびPolyFuelの各社も、燃料電池をポータブル電化製品市場に投入すべく開発に取り組んでいる。液体燃料は非常に効率的で、メーカー各社によると、満充電の燃料電池はバッテリの充電1回分より長い時間デバイスを動作させられるという(メタノール燃料電池は90年代にヘアアイロンにも利用されていた)。だが、パフォーマンスの問題や消費者の懐疑的な態度を受け、メーカーは燃料電池の発売を何度も延期してきた。
燃料電池には補充の問題もあった。大半のメーカーは、燃料電池に装着するメタノール補充カートリッジを店頭で販売する計画だという。万年筆にインクカートリッジを装着するようなイメージだ。テロの危険もある。米連邦航空局(FAA)は一部タイプのメタノール燃料電池の機内持ち込みを認可していたが、現在では機内への液体の持ち込みが禁止されている。
燃料電池はバッテリの代替となることが可能だが、大半のメーカーは家電製品用バッテリを補完する形で燃料電池を採用する計画だという。
Microsoftが燃料電池をどのような形で製品ラインアップに統合するのか、あるいは同社が単にテスト目的で燃料電池を購入するのかどうかは明らかでない。だが、Zuneはその採用候補になる可能性が高い。MP3プレーヤーは大量の電力を消費せず、燃料電池で自立動作する。また、燃料電池式携帯電話のプロトタイプも存在する。ノートPCなど、より大型のデバイスを動かす燃料電池ではポンプなどの部品が追加で必要になる場合もある。
入稿時までにMicrosoftからコメントを得ることはできなかったが、同社が顧客であることはMedisが明言した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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