ジャパン・デジタル・コンテンツ信託(JDC信託)は7月、国内におけるオンラインゲーム開発企業の資金調達支援サービスを開始する。専用のファンドを立ち上げて新規ゲーム制作者を資金面で支援し、出資者は販売実績に見合った配当を得るという仕組み。オンラインゲームは成長市場とされる一方、開発と運用コストの負担が大きいことから、ゲーム制作者および投資家双方の需要があると判断した。
立ち上げるファンドは「オンラインゲーム信託〜SeedCファンド第1号〜」。これに先立ち、すでに老舗オンラインゲーム制作企業のSeedCと3D映像などの制作を行うエクスドリーム・エンタテインメントとの間で、2社が開発する予定の4作品におけるファンド組成で基本合意契約を締結している。
ファンドの仕組みとしては、開発予定作品の著作権を、信託受益権(受託者が信託財産から生じる収益を受け取る権利)として投資家に販売し、約20億円の資金を調達。信託期間は約5年とし、その間の事業収益が投資家に実績配当されるというもの。
開発するゲームは、SeedCとテクモが共同展開するゲームポータル「LieVo」でサービス提供する予定。ゲーム内の仮想商品やキャラクター関連商品、海外展開による事業収入で少なくとも20億円以上の売り上げを見込む。
SeedCは国内で40万人、韓国で290万人の会員を抱えるオンラインゲーム「MIX MASTER」を運営しており、エクスドリームは3Dのアニメ制作に強みを持つ。両社がゲーム制作で組むのは今回が初めてだが、JDC信託は「複数企業による新作の共同開発は著作権管理の問題など難しかったが、ファンドが間に立つことでその辺の問題がクリアになる」(広報)としており、資金援助に加え、企業同士の強みを掛け合わせた開発体制という面でも支援できると見ている。
経済産業省関東経済産業局によると、2005年度における国内のオンラインゲーム市場は前年比4割増の820億円。2007年の現時点では「少なくとも市場規模は1000億円は超えている」(同)との見方もある。
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