Microsoftが、同社の最新OS「Windows Vista」の宣伝手法をめぐり提訴されている。
ワシントン州シアトルで提起されたこの訴訟は、実際にはVistaの機能を十分に稼働することができないにもかかわらず、Microsoftがそのシステムを「Vista Capable」マシンとして宣伝している、と主張している。訴状では、Vista関連のこうしたマーケティング手法は故意に見込み客の誤解を招こうとするものだと述べている。
判決は、マシンを「Vista Capable」とする環境の正確な定義によって決まることになる。
Microsoftでは、Vistaの核となる多くの機能が動作しない「Vista Home Basic」だけ運用可能なシステムには「Vista Capable」ロゴの使用をPCベンダー各社に認めている。本訴訟は、Vistaを売り込む対象者全員がシステム要件を理解しているとMicrosoftが決めてかかるのは適切ではないと述べている。
PCが「Vista Capable」の要件を満たすには、512Mバイトのメモリ、800MHz以上の最新プロセッサ、DirectX 9対応のグラフィックプロセッサを搭載する必要がある。しかし本訴訟は、MicrosoftによるVista関連の広告やマーケティングからは、「Vista Capable」と宣伝されるシステムが、Vistaが宣伝に力を入れるAeroインターフェースのような機能の多くが利用できない可能性があることを明確にしていないと主張している。
この訴訟によると、「消費者は、Microsoftが宣伝する重要な機能を搭載し、飛躍的に新しくなったOSにアップグレードできると偽って信じさせられた」という。本訴訟は、米国時間3月29日に集団代表訴訟の形で提起された。特にこの訴訟は、ユーザーを「Windows XP」からVista Basicへアップグレードする「Express Upgrade」プランに焦点を当てている。これは、Vistaへの「有名無実のアップグレードで機能性がない」と主張している。
Vistaの利用に必要なハードウェアリソース情報は、広範な活動を通じて購入者に提供してきたと、Microsoftは語っている。
Microsoftは声明で、「幅広い取り組みにより、コンピュータメーカー、小売業者、そして消費者にWindows Vistaの各バージョンごとのハードウェア要件を明らかにしてきた。文書などで詳しく説明したこの取り組みは、『Windows Vista Capable』プログラムの一環として実施された。われわれは、この情報を裁判所に提示し、本訴訟で提起されているそのほかすべての問題に対応したいと思っている」と述べている。
本訴訟の詳細については、The Seattle Post-Intelligencerが3日に報じている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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