Cisco Systemsが、32億ドルを投じてオンライン会議製品ベンダーWebExの買収を計画している。両社が米国時間3月15日に明らかにした。
企業間オンデマンドコラボレーションを実現する「WebEx」ソフトウェアとホステッドサービスは、Ciscoの「Unified Communications」製品群に組み入れられることになる。
Ciscoの複数の幹部が電話会議で語ったところによると、WebExサービスは中小企業にとって重要な製品だという。Ciscoは既にコラボレーションツールをいくつか販売しているが、WebExのようなホステッドサービスはまだない。ホステッドサービスがあれば、社内ネットワークでの運用に必要な高価なソフトウェアやハードウェアを購入せずにコラボレーションツールを使うことができる。
Ciscoの最高開発責任者Charles Giancarlo氏は、「WebExは、ネットワークベース技術の開発で市場をリードしていたベンダーの1つだった。したがって、CiscoのUnified Communication製品を拡張し、社内外のユーザーに作業やコラボレーションのための手段を提供するのは自然な流れだ」と述べている。
Ciscoは今も、企業ネットワークとウェブの間でIPパケットを運ぶルータやスイッチの販売および保守からその大半の売り上げを得ている。しかし同社は成長に向け、テレフォニーやビデオのような複数の新市場にも数年前から参入を進めている。現在までのところ、Unified Communicationsが大成功を収めているようだ。2月に発表された同社の第2四半期決算では、同ファミリーの売上高が前年比38%増に達したことを幹部が明らかにしている。
また偶然にも、この市場でCisco最大のライバルであるMicrosoftは、最も重要なパートナーでもある。CiscoとMicrosoftは、開発と、製品ラインアップへの新機能追加をそれぞれ独自に進めているが、Ciscoでは、Microsoft製アプリケーションへのUnified Communicationsの統合も進めている。
それでも、両社が抜きつ抜かれつの競争を繰り広げている感はある。Microsoftは3月、ついに自社の「Live Communication Server」に音声関連機能を搭載することを発表した。そして今回は、CiscoがMicrosoftのホステッドサービス「Live Meeting」と競合するホステッドコラボレーション機能を追加する。
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