マサチューセッツ州ケンブリッジ発--現在、数多くの新興企業がエネルギー貯蔵技術の改善を目指している。その中の1社であるA123Systemsは、企業のデータセンターや、ハイブリッドトラック、バスに同社のバッテリを利用してもらいたい意向だ。
2001年にマサチューセッツ工科大学(MIT)からスピンアウトしたA123Systemsは、リチウムイオンバッテリの性能を向上させるナノスケール材料を開発した。A123Systemsによると、同社の技術は、従来のバッテリよりも充電時間が短く、安全でより強力なバッテリの開発につながるという。
工具メーカーのDeWaltは、同社のプロ用電動工具に、筒状のA123Systems製バッテリを導入した。また、General Motorsも2007年に入ってから、開発を予定するプラグインハイブリッドSUV「Saturn Vue」用のバッテリとして、A123Systems製バッテリを検討すると発表した。
A123Systemsの創業者でMITの教授でもあるYet-Ming Chiang氏は米国時間3月10日、当地で開催されたMIT Energy 2.0カンファレンスで講演を行った。その中で同氏は、A123Systemsが、輸送業界や、その他の業界内で同社のバッテリ技術の使用拡大を図る意向を示した。
現在A123Systemsは、軽量ジェット機向けのバッテリを開発している。このバッテリの重量は、既存バッテリの半分だ。また同社は、サーバ向けの無停電電源装置(UPS)を開発する計画だ。
Chiang氏によると、輸送業界においては、プラグインハイブリッド車を含むハイブリッドトラックやハイブリッドバス向けのバッテリを開発中だという。
A123Systemsは同カンファレンスで、トヨタのプリウスを使用したプラグインハイブリッド車を披露した。このプリウスのハッチバックトランク内には、全長4フィート(約1.2m)の同社のバッテリが搭載されており、1回の充電で30〜35マイル(約48.3〜56.3km)の走行が可能だという。
Chiang氏は、さらなる開発が必要としながらも、A123Systemsのバッテリは、電動工具業界で成功したように、プラグインハイブリッド業界でも成功できると語る。
Chiang氏は、「これは、大変斬新なバッテリ技術だ」と述べ、さらに「われわれのバッテリは、5年前には、電動工具業界の人々が不可能と考えていた性能を備えている」と付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」