米国サンディエゴの連邦裁判所は米国時間2月22日、MicrosoftがWindowsにMP3関連の特許技術を不正に使用したとして、同社に対し15億ドルの損害賠償の支払いを命じた。この判決を受け、果たしてMicrosoftはその賠償金を当座預金口座と普通預金口座のどちらから引き出すのかとの疑問を呼んでいるが、同判決に関する疑問はそれにとどまらない。
Microsoftは当然、賠償額の減額あるいは同判決の破棄を求めるだろう。しかし、仮に同社が判決を受け入れた場合、Alcatel-Lucentは、製品にMP3音楽技術を使用している他の企業に対しても損賠賠償を請求する可能性がある。
以下は、現時点で分かっている限りの同判決に関する疑問とその答えだ。
確定すれば特許侵害の賠償金としては過去最高額になる今回の裁定は、2003年5月以降に全世界で販売されたWindows搭載PCの総台数と平均販売価格を基に算出された。今回、特許権使用料の(PCの販売価格に対する)割合は他の多くの場合よりも小さい。それにも関わらず賠償金が高額なのは、全世界で販売されたWindows PCの販売総額を基に算出されているためだ。
「(多額の損賠賠償判決を下すことを)一般に『ベルを鳴らす』と言う」と語るのは、ボストンに拠点を置く法律事務所Bromberg & SunsteinのパートナーであるLee Bromberg氏だ。「今回のベルの音は一際大きかった」(Bromberg氏)
Microsoftは、まず現在の担当判事に賠償額の減額を請求するとしている。仮に請求が認められなければ、控訴もありうるだろう。同判事は来週まで休暇を取っているため、Microsoftが動くのはそれ以降ということになる。
特許侵害訴訟の判決は覆る可能性が比較的高いため、Microsoft側が期待を抱くのも理解できる。しかし、その一方でBromberg氏は、今回の訴訟の担当判事は特許訴訟の経験が豊富であり、さらに裁判所は陪審団の意思を支持したがる傾向があると指摘する。
Bromberg氏は、「一般に、(裁判所は)一度下された判決の再審理はしたがらない」と語る。とは言え、大きな争点となりそうな点が数多く存在するのも事実だ。一例として、陪審団による賠償額の決定方法が挙げられる。「(Microsoft側は)間違いなく、その点について反論するだろう」(Bromberg氏)
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