ニューヨーク州の上院議員が、主要都市の道路横断時に、iPod、BlackBerry、携帯電話などの電子機器の利用を禁じる法案を提出する計画だと発表した。
Carl Krueger州上院議員(民主党、ニューヨーク市ブルックリン区のニューヨーク27区選出)は、都市の路上において「iPodに没頭」する人が増えていることが多数の重大な事故を誘発していると主張している。同氏は、このような事故が増加しているという統計は示さなかったが、23歳のブルックリン在住男性がiPodの音楽に気を取られて市内バスの進路に出てしまい死亡した、2007年1月の事故を例にあげた。
法案が成立すると、ニューヨーク、オールバニー、バッファローなど大都市の路上を横断する時に、音楽プレイヤー、ビデオプレイヤー、携帯電話、スマートフォン、ゲーム機などあらゆる携帯電子機器を利用することが禁じられる。違反者には100ドルの罰金が科され、刑事裁判に召喚される。ジョギング中の人と自転車の運転者は、道路を横断する機会のない公園内のみにiPodの利用を限定されることになる。
Krueger議員は声明で「BlackBerryをいじりながら、電話番号をダイヤルしながら、ゲームボーイのスーパーマリオブラザーズで遊びながら、iPodで音楽を聞きながら、周囲に十分な注意を払うことなどできはしない」と述べた。同議員は、カリフォルニア州サンディエゴなど他の大都市では、歩行者が携帯電子機器に気を取られるとスリや強盗による危険に晒されるとして警官が注意しているが、本当の危険は路上の交通にあるのだと付け加えた。
iPodやBlackBerryの人気はここ5年くらいに始まったことであるが、都市の路上で携帯機器が利用されるのは、目新しいことではない。ソニーのウォークマンのアイデアに関する特許は(あるドイツ人発明家によって)1977年に取得されていた。これは今から30年も前のことである。任天堂の初代ゲームボーイは、あと2年で20周年を迎える。携帯ラジオにいたっては、さらに長い歴史がある。
法案が成立して困るのは、音楽ファンばかりではない。ウォール街でBlackBerryを愛用している人たちも、路上でビジネスツールが使いづらくなることを嫌がるだろう。それでもKrueger議員は強気だ。「これは、ニューヨークの路上では命に関わる問題だ」(Krueger議員)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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