サンフランシスコ発--第2四半期決算で手堅い利益を計上したSun Microsystemsの幹部たちは、米国時間2月6日、同社が困難な財務状況を脱して上向きに転じたことから、将来に向けて業績目標を高いところにおくと発表した。
Sunの最高財務責任者(CFO)であるMike Lehman氏は、当地で開催された金融界、産業界のアナリストたちとの会合で、「今やわれわれは危機を脱した。ここまで来たことに興奮を感じる」と述べた。
ドットコムバブルがはじけた後、何年もの間赤字決算が続いたSunだが、ここへきて大胆な財務目標を打ち出した。Lehman氏は、2009年6月に終了する2009会計年度の営業利益率が10%になると予測している。営業利益率は、売り上げ全体に占める営業利益の割合を示し、財務状況の健全さを表す。営業利益率は、現金準備、株式配当、その他の目的のために、企業がどれくらいの資金を用意できるかを決める指標でもある。
Sunの第2四半期決算が好調だったことから、この回復ぶりは本物だと確信する見方が出てきている。
Ideas InternationalのアナリストであるTony Iams氏は、「現在、決算発表がSunにとっての追い風になっているため、『事態は好転しつつある。これからは攻めの姿勢だ』と言う余裕がある」と話す。この先も好決算を維持し続けなければならないが、「それでも、Sunは上向きに転じたと言ってよいと思う」と、Iams氏は言う。
企業は、もっと困難な問題を抱え込むこともある。とはいえ、一部の金融アナリストは、Sunにますます大きな期待をかけている。
Merrill LynchのアナリストであるRichard Farmer氏は、5日に出した調査報告に、「これから数四半期かけて、Sunが10%の営業利益率という目標に向かって進んでいくうちに、Sunはなぜ10%台半ばの営業利益率を達成すると言わないのか、というところにわれわれの疑問は移っていくだろう」と書いている。売り上げの増加と45%を超える粗利益--利益率を測る目安--を維持している企業ならば、その程度の目標は妥当なものだ、とFarmer氏は指摘する。
Lehman氏は、好業績を受けて従業員の意気も揚がっていると話す。
「社内の空気が以前とは違う。従業員は、自分たちがやっていることに満足し、ここで働いていると、誇りを持ってまた言えるようになった。ここしばらく、そういう状況ではなかった」(Lehman氏)
そして、またしてもレイオフが実施され職を失うかもしれないという不安を、前より容易に静められるようにもなった。「2006年のような、大規模なリストラという事態を、もう見る必要はない」と、Lehman氏は断言した。
Sunは現在、以前の顧客やSun製品の愛用者たちの信頼を回復することから、新しい盟友関係を結ぶことに重点を移そうとしている、と最高経営責任者(CEO)のJonathan Schwartz氏は言う。「つまり、新規の顧客を開拓するということだ」
その取り組みの重要な部分を担うのが、Sunの先端の製品ラインだ。たとえば、Sunのサーバ上で他社製OSが稼働したり、SunのOSである「Solaris」が他社製サーバ上で稼働したりといったことだ。
「先端のところで顧客に出会うたびに、われわれはその人たちをSunの中心に引き込もうと最善を尽くす」と、Schwartz氏は語る。Sunの中心こそまさに、利益率が他より高い部門なのだという。
Sunは、ITを必要経費であるとみなしている顧客にも喜んで製品を販売していくが、自社の研究開発を、テクノロジが自分たちの成功する方法だとする技術顧客に集中していくとしている。
Schwartz氏は、「市場は、ITを競争力を高める武器とみている層と、コストと見ている層に分かれていく」と述べる。Schwartz氏によると、Sunは現在、前者のモデルに当てはまる顧客にとって魅力的な製品ラインがそろっているという。
「われわれはいま、市場の100%を達成するための備えをもっている」とSchwartz氏は述べ、「われわれは競争からはじかれることはないし、われわれが供給できない顧客はいない」(Schwartz氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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