スーパーボウルにおける真の勝者は誰だったか? もう1人の勝者は・・・Coca-Colaだ。
これは、スーパーボウルのコマーシャルを見ている間の人々の頭の中で活発化する神経活動を調査した脳の専門家らによる調査結果である。この調査は2007年で2年連続の取り組みとなる。FKF Applied Researchは、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のAhmanson Lovelace Brain Mapping Centerの協力により、60秒間のCoca-Colaコマーシャルが、人々の頭の中に最も前向きな感情を引き出したとして、2007年最高のコマーシャルであったと結論づけた。
UCLAで精神医学を専門とする臨床助教授であり、FKF Applied Researchの共同創設者であるJoshua Freedman氏は、「Coca-Colaのコマーシャルは、つながりと共感に関連した鏡像を含むありとあらゆる感情を表現した点において、優れた作品だった」と述べた。「ある人に頭の中で何が起きているかと尋ねることは、ある意味において心の中で何が起きているかと尋ねることに似ている」(Freedman氏)
FKFは18〜34歳の男女10人に対し、UCLAのfunctional Magnetic Resonance Imaging(fMRI)脳活動イメージ化装置を用いて調査した。fMRIは、人々の欲望や不安などを支配する脳内のさまざまな認知制御機構における活動、つまり血流を解析するために利用される比較的新しい技術である。脳のある特定の部分の働きが活発である場合、その部分における血液の循環と酸素量が増加するため、イメージ化技術によりその活動を検出することができる。
スーパーボウルのコマーシャルに対する人々の反応がそれほど重要か否かは別として、この技術は脳と人間の感情に関する科学的な理解を深める上で、大きな進歩をもたらしている。過去5年の間に、fMRIは人間の選択と動作を研究する神経科学者らに利用され、人々がどのようにして決断を下すかを理解するための基盤を築くこととなった。Freedman氏は、この科学的技術が今では、経済学、社会学、そしてもちろん宣伝活動など、ほかの学問分野にも適用されていると述べた。
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