ソニーが画像技術会社IPIXの知的財産を360万ドルで買収したことが明らかになった。
IPIXの知的財産売却を承認する裁判所の命令により明らかになったところによると、米国内外の特許をはじめとする同社知的財産の競売が、破産処理の一環として公開法廷で行われたという。
IPIXはNASDAQに上場していたが、2006年7月31日にバージニア州東地区の破産裁判所に連邦破産法第7章の適用を申請した。
ソニーは当初、法律事務所を代理人として匿名で入札に参加し、IPIXが所有する米国内外の特許、出願中の特許、仮特許のすべてを、360万ドルの最高入札額で落札した。落札者がソニーであることが明かされたのは、競売を承認するため2月2日に開かれた法廷審問においてである。
競売にかかったのは、米国内の特許35件以上と、没入型静止画像、360度デジタル没入型ビデオ、ギガピクセル解像度カメラなどの技術に関する出願中の特許のほか、オーストラリア、オーストリア、カナダ、ドイツ、ヨーロッパ連合、日本における同様の特許や出願中の特許50件以上である。
この買収について、ソニーからはコメントが得られなかった。
IPIXの業績でもっとも有名なのは、2つの180度デジタル画像を、上下左右に視点を移せる360度のパノラマビューに変換する技術の開発である。室内全体をインターネット越しに見ることが可能になるため、不動産業者による利用例も多い。
同社はさらに、セキュリティや監視に適用可能な特許も所有している。
NASAとエネルギー省の出資で、全方位360度の没入型ナビゲーションシステム(パン、チルト、ズーム機能の遠隔制御が可能な、カメラとソフトウェアからなるシステム)を開発した。動き検出、室温監視、警報などの他の監視技術と組み合わせることが可能で、IPIXの説明によると、Bush大統領の2回目の就任パレード、2004年のG8サミット、2004年の民主共和両党の全国大会などで利用されたという。
同社は2005年6月にも、米国防総省の高等研究計画局(DARPA)から、高々度からの広域画像撮影に用いる「世界最高水準の解像度を持つビデオカメラ」の開発を240万ドルで受注している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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