大手ゲームパブリッシャーであるElectronic Arts(EA)の会計年度2007年第3四半期の決算は、売上高が前年同期と比べて1%の増加、純利益が38%の減少となった。しかし、同社の株価は時間外取引中に3ドル上昇した。
EAは米国時間2月1日、2006年12月31日締めの第3四半期決算を発表した。それによると、同社第3四半期中の売上高は、前年同期の12億7000万ドルから若干上昇し、12億8000万ドルを計上した。
しかし、同社第3四半期中の純利益は、前年同期の2億5900万ドルから大きく減少し、1億6000万ドルを計上している。だがこの数字は、多くのアナリストの予想を上回るか予想の範囲内だった。そのため、NASDAQでの終値が50.54ドルだった同社の株価は時間外取引で大きく上昇し、本稿執筆時点では3ドル以上上昇している。
EAの業績に影響している要因として、「PLAYSTATION 3(PS3)」の供給不足と、同ゲーム機との抱き合わせ販売の比率が少なかったことが挙げられるだろう。調査会社のNPDでは、2006年のPS3の米国での販売台数を60万台と見積もっている。それでも、EAの会長兼最高経営責任者(CEO)であるLarry Probst氏は、「次世代ゲーム機向けのわれわれの製品の動向に満足している」とコメントしている。EAは同四半期、PS3向けに4つのゲームをリリースし、北米におけるPS3市場で32%のシェアを持つと主張している。
Wedbush Morgan SecuritiesのアナリストであるMichael Pachter氏によると、PS3の供給不足が、EAが売り上げを伸ばすことができなかった要因の1つだったことは間違いないという。しかし、同氏は、この状況は一時的なものであると見積もっている。同氏はGameSpotに対し、「PS3ゲームが無くなるようなことはもうないだろう」と述べ、「私は、人々が最終的にゲームを買うようになると信じている。そしてEAはこうした売り上げの正当な分け前をとることになるだろう」と語っている。
Pachter氏はまた、EAの第3四半期が減益となってしまった主な原因は、複数の次世代ゲーム機向けにゲームを開発するための開発費がかさんだためだったと述べる。同氏はGameSpotに対し、「研究開発費が2億600万ドルから、3億3000万ドルへと膨らんだため利益が減ってしまった」と述べ、「1株あたり0.25ドルになってしまった」と語る。EAは一人称シューティング(FPS)ゲーム「Battlefield」を開発するDigital Illusions CE(DICE)の買収を完了するにあたり2006年10月に2300万ドルを費やし、さらに11月にはWii専用スタジオと開設した。
EAの最高財務責任者(CFO)であるWarren Jenson氏は声明の中で、同社の社内開発の拡張に対するコストについて簡潔に、「これまでの数年は投資の時期だった。これからの数年は成長と見返りの時期だ」と述べた。Jenson氏はまた、EAのデジタルコンテンツからの売り上げは、2006年に1億1500万ドルに達し最高を記録したと述べる。この数字に対しPachter氏は「すばらしい」と称賛した。第3四半期中、同社はデジタルコンテンツで3700万ドルを売り上げた。これには、Xbox Live Marketplaceでの販売物やPogo.comで販売されるカジュアルゲームも含まれている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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