Sony BMG Music Entertainmentは米国時間1月30日、消費者に通知せず自社製CDに海賊防止ソフトウェアを組み込んだ問題に関して、米連邦取引委員会(FTC)と和解提案に至ったと発表した。
FTCによると、「rootkit」としても知られる海賊防止ソフトウェアは、CDの使用を制限するだけでなく、深刻なセキュリティ上の問題を引き起こす恐れもあるという。この騒動が発生したのは、ソニーが自社製CDに、コピー防止ソフトウェア、つまりデジタル著作権管理(DRM)技術を組み込んでいたことが明らかとなった2年前のことである。
提案された和解案では、消費者は2007年6月31日までSony BMG製CDを交換することができ、さらにこのルートキットソフトウェアを除去しようとした際にコンピュータが損害を受けた場合はその修理代として最大150ドルの払い戻しを受けることができる。
またこの和解案では、Sony BMGに対し、消費者が音楽CDを使用する際の制約を公表することを求めており、同社がユーザー情報を市場調査の目的で収集することと、ユーザーの同意なくソフトウェアをインストールすることを禁じている。Sonyにはさらに、rootkitソフトウェアを簡単にアンインストールする方法をユーザーに提供することが求められている。
FTCの委員長であるDeborah Platt Majoras氏は声明の中で、「セキュリティ上の問題を引き起こすソフトウェアをこっそりインストールすることは、権利の侵害であり、法に反している」と述べた。「消費者のコンピュータは消費者の所有物であり、企業は製品の一般的な使用に対する予期せぬ制限については十分に説明し、その製品の購入やインストールに関して消費者が詳細な情報を得た上で決断できるようにしなくてはならない」(Majoras氏)
FTCは、3月1日までに提案和解案に関する公聴会を開く予定で、その後最終的な決定を下す予定。
Sony BMGは声明の中で、「FTCとのこのような合意に至ったことをうれしく思う」と述べている。
Sony BMGはすでにrootkit技術が組み込まれた大量のCDをリコールし、また41の州で総額575万ドルの賠償金を支払っている。これらの州では、rootkitソフトウェアを削除しようとしてコンピュータに損害を受けた消費者に対し、1人当たり175ドルの賠償金を支払った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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