スクウェア・エニックス代表取締役社長の和田洋一氏は1月30日、子会社で経営再建中のタイトーについて、アミューズメント施設の店舗数削減や人員整理による再建策を明らかにした。これは同日開かれた2007年3月期第3四半期(2006年10〜12月)決算説明会の場で明らかにしたもの。
会場では、今まで触れられることのなかったタイトーの事業見直し策について、初めて多くの時間が割かれた。スクウェア・エニックスは2005年8月に株式公開買い付け(TOB)によりタイトー株を取得。2006年3月には完全子会社としている。主要事業のうち、業務用カラオケ事業はすでに同業他社のエクシングに売却済みだが、業務用ゲーム機、家庭用ゲーム機についても不振が続き、立て直しの必要に迫られていた。
スクウェア・エニックスの和田洋一社長によると、タイトーの抱える事業のうち、アミューズメント施設運営に関しては「主に不動産の負債が大きい」とし、これらのコストの大きい直営ロケーションを40店舗程度削減するとした。また、家庭用ゲームについては営業、販売促進業務をスクウェア・エニックスに統合、タイトーは開発業務に特化した会社とするという。これに伴い、現在1000名程度在籍している従業員のうち、二百数十名を希望退職で削減する。
一方で、ロケーションについては「地代が比較的安い場所に新設し、お客様に『少し歩いてでも行きたい』と思われるような設備やゲーム機を投入する」とし、さらに従来徹底されてなかった店員育成の強化で他社に対抗するとした。その他、レンタルやフランチャイズなど、ロケーションの自社保有に必ずしもこだわらない姿勢も見せた。これらの施策はすでに実施されており、2006年の4〜12月の間ですでに回復に向かっているという。今後数年で50〜100億円の経常利益を目指す。
また、タイトーのモバイル事業に関しても「従来はソフトバンクモバイルに特に注力し、次いでau。NTTドコモにはほとんど供給していなかった」とし、今後はドコモ向けへのコンテンツ供給を強化するとした。こうしたタイトーの事業体制見直しは2007年3月期中に完了させるとしたが、これにともなう特別損失に関しては「まだ分からないが、数十億円程度」と述べるにとどまった。また、タイトーとスクウェア・エニックスの完全統合も「すぐにはない。2年は現状のブランドで走らせる」と慎重な姿勢を見せた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス