SunのチーフオープンソースオフィサーのSimon Phipps氏が、「GNU General Public Licenseバージョン3(GPLv3)」への支持を表明した。
Simon Phipps氏は企業ブログ上で、現在のGPLv3の完成に向けた取り組みは「効果的で並はずれたものだ」と語り、「率直に言って、同ライセンスに対する数々の批判に驚いている」と述べている。
Sunは11月に、JavaをGPLバージョン2(GPLv2)の下でリリースすることを決定したばかりなので、Phipps氏のこうしたコメントは意外かもしれない。現在、Linuxをはじめ多くのオープンソース製品がGPLv2の下で配布されている。また、Phipps氏の発言が注目に値するもう1つの理由は、同氏が商用ソフトウェアベンダーの幹部だからだ。
Phippsは先週掲載したブログ投稿の中で次のように述べている。「Sunは、GPLv3の開発プロセスの開始当初から直接的に関わってきた・・・そして、その成り行きに密接に好意的な関心を持ち続けている。私の個人的見解としては、これまでのGPLv3の開発プロセスは、いままでのところ、効果的で並はずれたものだと思う。やや問題のあったドラフト第1版が確固たるライセンスへと変貌しつつある」
またPhipps氏は、GPLv3を批判する人々は、同ライセンスが前向きな発展を遂げている点を無視しているとし、さらに彼らが指摘している問題点については、開発者らはすでに対策に取り組んでいると付け加えた。「GPLv3の最終版が、Sunが現在支持している、あるいは将来創始するコミュニティーの一部にとって有効なツールでないとしたら、私にとって大変な驚きだ」(Phipps氏)
Phipps氏がこれらのコメントを掲載した目的は、SunがGPLv2の下でJavaをリリースする決断を下した理由を説明するとともに、同社がGPLv3に対し批判的であるとの指摘に反論することにある。Phipps氏は、Sunのアプローチを正当化しようとした。
「Sunは、ライセンスの内容を把握せずに信用し、このような重要なコードに使用することはできなかった。Javaは40億種の機器に使用されている・・・そのため、後々GPLv3がそれらの機器に有害であると判明するリスクは、たとえそのリスクがいかに小さくても、甘受することはできない。GPLv3が完成する前にそれに取り組んだからといって、管理責任を負うとは思えない」(Phipps氏)
Phipps氏は、現在のところJavaプラットフォームはGPLv2の下でのみライセンス供与されるとしながらも、最終的にSunがGPLv3を利用できるようになることを願っていると付け加えた。「恐らく、GPLv3が完成するまでJavaプラットフォームのオープンソース化を延期することもできただろうが、それまでの期間があまりに長すぎて、とても待ちきれないと感じた」(同氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。海外CNET Networksの記事へ
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