ソニーと、Philipsの半導体事業部から独立したNXP Semiconductorsの両社が、ジョイントベンチャー設立を発表した。携帯端末やPCなどの各種消費者向け電子機器間の短距離ワイヤレス通信を実現するセキュアチップを開発する。
両社の覚え書きによると、このジョイントベンチャーは2007年中旬に設立され、ソニーのFelicaやNXPのMifareシステムなど、短距離無線通信(NFC)互換の各種電話機に対応したセキュアNFCチップを製造することになるという。
このNFC無線通信技術は、非接触での料金支払いをロンドン地下鉄で実現しているのと同じ技術で、携帯電話を使った発券業務や少額支払いに利用できる。
NXPとソニーによると、同チップを搭載した携帯電話を持っていれば、さまざまなプロバイダーからありとあらゆるサービスを購入できるようになるという。ただし、両社ともにプラットフォームの開発を別々に続けていくという。
携帯電話技術の欧州標準であるGSM(Global System for Mobile Communications)は、業界団体のGSM Associationが推進している。同団体ではさらに、世界中の加入者の40%をカバーする事業者が非接触支払技術に取り組んでいるとし、NFCも奨励している。加えて、「共通のアプローチで携帯電話にNFC技術をインプリメントすべく、NFC構想の調整も進めている」という。
同団体では共通のNFC標準を提唱しており、これにより互換性と広範囲での普及が実現する、と主張している。
今のところ、NFCはそれほど広範囲には普及していない。同技術は大企業が支持を表明しているが、アナリストは普及の加速を促進する創意あふれるサービスが不十分だとし、NFCチップの出荷予想数を先ごろ下方修正している。
現在までのところ、一部では同モバイル技術の試験運用が行われており、ドイツではNFCリーダにかざすだけで運賃が支払える非接触支払システムの運用が開始されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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