MicrosoftはウェブベースのOfficeスイートに注目しているが、そのような製品を発表する予定は今のところない。同社でチーフソフトウェアアーキテクトを務めるRay Ozzie氏が、ZDNetのDan Farberに対してこのように語った。
Ozzie氏のインタビューは米国時間10月26日、Computer History Museumでのイベントに先立ち行われた。インタビューにおいてOzzie氏は、GoogleやZohoのような新興企業から誕生したウェブベースの生産性アプリケーションが発展してきていることについて意見を述べた。
Ozzie氏は、「ウェブが始まって以来、多くの人がウェブ技術を使用したアプリケーションを開発しようとしてきた」と述べ、「実現可能だからといって、やるべきだという意味にはならない。われわれは『Google Docs & Spreadsheets』について考えており、Office 2.0やZohoに注目している。われわれはまた、こうしたものを顧客の前に置き、どのような意味を持っているのか検証しているところだ」と語った。
ここ最近Ozzie氏は、デスクトップアプリケーションとオンラインサービスの組み合わせこそが、Microsoftが進める戦略全体の中核であると述べてきた。例えば、2006年6月に開催されたMicrosoft主催のカンファレンスTech Edで同氏は、全てのコンピューティングがネットワーク上で行われるようになるという極端な意見に同社は賛成できないと述べている。
Ozzie氏はプログラマーとエンドユーザーの両方の視点から同時に物事を考えることのできる人物として知られている。インタビューにおいて同氏は、Microsoftはウェブベースのアプリケーションが(プログラマーとエンドユーザーの双方にとって)妥当だとうなずける「シナリオ」を探求しているのだと述べた。
Ozzie氏は、「われわれは、生産性ビジネスの中では最高レベルであり、わたしはそのレベルで物事を考えている。わたしがLotusにいたときには、Microsoftと競争していた。そして(Microsoftでは)われわれは明確に定義されたスイートを持っている」と述べる。「新たなシナリオが数多く存在する。会社として、われわれは人々の求めているものを提供したい。あるシナリオはドキュメントの扱い方についてである。別のシナリオは共有やコラボレーションのやり方だ。スタンドアロン環境もしくは『SharPoint』環境でのシナリオや、高機能なフロントエンドを搭載したウェブベースのバックエンドでのシナリオもあり、コンポーネントによっては完全にウェブということもある。また、高帯域環境やモバイル環境、大型スクリーンを使用している際の環境を考慮したシナリオもある」(Ozzie氏)
インタビューに答えてOzzie氏は、ウェブベースのOfficeスイートがMicrosoftから近日中に発表されることは無いと述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス