近頃は、腫瘍や目の癌、交通事故の増加はもちろん、さらにはパンツのポケットが急に燃えだしたことまで、悪いことが起こると何でも携帯電話の使用と結びつけられるようになっている。そして、この「良くないことのリスト」に、今度は男性の生殖能力の低下が加えられるかもしれない。
2005年、イギリスのニューカッスル大学の研究で、携帯電話の電磁波と男性の生殖能力低下に関連性があるかもしれないことが指摘された。さらに、米国時間10月22日に「米国生殖医学会議」(American Society for Reproductive Medicine)年次総会で発表された新しい一連の研究結果により、その疑いはさらに強まったように見える。ルイジアナ州ニューオリンズとオハイオ州クリーブランド、そしてインドのムンバイで行われた実測的調査は、携帯電話を長時間使用することによって、精子数の減少、精子の活動力低下などの現象が生じる可能性を示している。
2004年9月〜2005年10月の間に、クリーブランド診療所、チューレーン大学健康科学センター、ムンバイのカルセケヤ医療研究・診断センターが、計364人の男性を対象に調査したところ、携帯機器を1日に4時間以上使用する人はそうでない人に比べて、精子の活動力に問題があって不妊の原因になりうるケースがはるかに多いことが判明した。
調査にあたった研究者たちは、生殖能力の問題と携帯電話の関連性を完全に理解するには、さらに詳しい調査が必要だと語る。たとえば、問題の原因がどこにあるかを正確に突き止めなければならない。精子数の減少が携帯電話の電磁波の直接的な影響によるものか、バッテリーから発せられる熱のせいなのかは、はっきりしていない。バッテリーの熱は、ノートPCの使用に関連して、不妊の原因ではないかと疑われてもいる。
問題の原因がなんであれ、男性は今後、携帯電話やBlackBerryでのお喋りやチャットに何時間も没頭する前に、よく考えてみたくなるかもしれない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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